(C)NHK連続テレビ小説「あんぱん」NHK総合 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
原:あれは演出家さんいわく、「メイコの“メロンパンナのメロメロパンチ”」らしいです。(釜爺との距離を)「もっと近く、もっと近く」と演出をつけてくださった記憶がありますね。序盤だったので、メイコのキャラクターをつかむきっかけになりました。
浅田:釜爺も孫には弱いのよね。特にメイコは一番幼いし、やっぱり可愛いの。それにしても、朝田家の三姉妹は本当の姉妹にしか見えないキャスティングよね。作っていった感じが全然しない。
原:私が『あんぱん』を好きなのは、辛いことも多いけど、どんなに大変な時代を描いていてもクスッとできる、ニコニコできるような日常のシーンを入れてくださっていること。朝から「よし、1日頑張るぞ」という活力をもらえる作品だなと思っていて。
浅田:今は核家族化していて、朝田家みたいな大人数の家庭ってあまりないじゃない? やっぱり家族っていいなと思ってほしいなと思うのよね。羽多子さんだって、本当は旦那さんが亡くなったわけだから、実家に帰っても良いのに、子供たちと一緒にずっとそこにいてくれるのはあったかいわよね。
原:ドラマと同じく、くらばあと羽多子さんのツッコミも楽屋でよく見ます。お母ちゃんが現場にいてくれると、楽しいし、安心感が違いますね。
浅田:江口さん、淡々とツッコむのよね。それで、うちらをまとめてくれるの。では、今後の見どころはメイコがまとめてね。
原:はい! 戦争が終わって、メイコもみんなもこれまでの考え方が変わったり、新しい選択をしたりしていきます。さらに後半では、やなせたかし先生の有名な詩なども登場して、より朝ドラらしい、朝から元気をもらえる展開になっていくので、ご期待ください。
【プロフィール】
浅田美代子(あさだ・みよこ)/1956年、東京都生まれ。1973年にデビュー。連続テレビ小説出演歴は『さくら』(2002年)、『花子とアン』(2014年)、今回の『あんぱん』で3度目。ヒロイン、朝田のぶ(今田美桜)の祖母役で夫の釜次(吉田鋼太郎)とともに「朝田石材店」を支えてきたくらを演じる。
原菜乃華(はら・なのか)/2003年、東京都生まれ。2009年にデビュー。話題の映画やドラマの子役として活動。映画『すずめの戸締まり』では1700人の中から主演に抜擢。2023年、NHK大河ドラマ『どうする家康』に出演後、連続テレビ小説『あんぱん』朝田家の三女、メイコ役に抜擢。
【聞き手】
田幸和歌子(たこう・わかこ)/1973年、長野県生まれ。ライター。様々な媒体でドラマに関する記事を執筆中。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)などがある。
撮影/井上たろう
※週刊ポスト2025年7月11日号