撮影者もアカウントも特定済みだというが…
京都祇園のお茶屋の常連男性Aさんが語る。
「2年ほど前から、YouTuberによる“文化搾取ビジネス”が横行しています。芸舞妓さんにつきまとい行為をして撮影した動画をYouTubeなどにアップロードするグループが立て続けに登場してきているんです。お茶屋の常連のあいだでは有名な話で、当該のYouTubeチャンネルも特定され、撮影者の一部が外国人であることも判明しているようですが、進入や撮影が禁止されている場所に指定されていないメイン通り(花見小路)や、個々人のマナーに委ねられている公道では対策も難しいとのことです」(Aさん)
実際、どのような被害があるのだろうか。
「公道を歩く芸舞妓さんを待ち伏せて、跡をつけて撮影し続けたり、信号待ちのあいだに至近距離で顔を撮影したりするものが大半で、なかには細い小道までついていき、部屋の中に入る直前まで撮影された動画も。
芸舞妓さんのプライバシーがどんどん侵害され、皆が疲弊している。なかには、過度なつきまとい行為に身の危険を感じ、個人で防犯ブザーを携帯し始めた芸舞妓さんもいます」(Aさん)
YouTube上のとある動画には、〈舞子(原文ママ)さんも大変そうだと思ったら(いいねの絵文字)〉の文言とともに、視線を足下に落としながら足早に歩く舞妓が映っている。1700近く寄せられているコメントの多くは舞妓に同情的なものだが、なかには〈無愛想だな〉〈嫌なら辞めれば?〉といったものまである。
「芸妓になるための修行中の身である舞妓は、一般的に10代後半から20代前半の女性で、まだまだあどけなさの残る少女たちです。こうした動画がアップロードされることで、一部の心無いコメントに芸舞妓さんが傷つくケースもある」(Aさん)