国内
“石破おろし”と“裏金議員入閣リスト”

《石破リコール工作》次期政権“入閣リスト”に旧安倍派幹部らの名 世耕弘成氏が官房長官、西村康稔氏が外相、萩生田光一氏が幹事長候補…「裏金議員内閣」の様相に

旧安部派の世耕弘成氏(左)や西村康稔氏なども暗躍か(時事通信フォト)

旧安部派の世耕弘成氏(左)や西村康稔氏なども暗躍か(時事通信フォト)

 閣僚や党役員の人事は総理大臣の“権力の源泉”とされてきた。重要ポストを配分していくことで党内の多数を押さえ、権力掌握につながるからだ。だが、石破茂・首相の続投か、退陣を求める勢力が「総裁リコール」(臨時総裁選)を実施させるのかで大揺れのなか、早くも“次期政権の幹部ポスト”の陣容が出回っているというのだ。一体、どういうことなのか──。【全3回の第2回。第1回から読む

旧安倍派の一部からは反発も

 石破リコールの論功行賞の“入閣リスト”では旧安倍派の世耕弘成・前参院幹事長が「官房長官」候補、こちらも1年間の党員資格停止処分の西村康稔・元経産相が「外相」候補、さらに「幹事長候補」とされる萩生田光一・元政調会長は裏金事件で秘書が検察審査会から起訴相当と議決され、検察が略式起訴(罰金刑)する方針と報じられたばかりで、野党から改めて責任追及の声があがっている。そんな幹部たちが中枢を占める政権が誕生すれば、石破リコールの先にあるのはまさに“裏金議員内閣”ではないか。

 旧安倍派のメンバーだった政界関係者からは、権力欲むき出しの幹部たちの動きがよく見えているがゆえに、批判する声があがっている。

 旧安倍派議員として裏金が“派閥の指示”だったと暴露して注目を浴び、昨年の総選挙で落選した宮沢博行・元防衛副大臣が語る。

「自民党は衆参の選挙で負け、今や党崩壊の危機にある。この事態を招いたのは、旧安倍派の幹部たちです。彼らが裏金問題で自らが知る事実を正直に国民に示し、謝罪していれば、ここまで危機的な状態にはならなかったと思う。そういう方々が今になって石破おろしに動き、発言力を強めている。しかし、裏金問題で自らの責任を示さず、決断力を見せなかった政治家にその資格はない。旧安倍派幹部は今後、大臣など要職に就くべきではないし、ましてや権力を握って政局を牛耳ろうとすべきではない」

 旧安倍派で、今回の参院選で落選した和田政宗氏もこう指摘した。

「自民党から国民の支持が大きく離れている。有権者の声を聞いて、自民党への嫌悪感が強いことを改めて確認した。それなのに自民党では石破総理の責任問題とか、次は誰がなるのかとか、そういうことばかり議論をしている。石破総理が続投しようが、誰が次の総裁になろうが、それは自民党にとって重要なことではない。必要なのは、改めて国民のためにどういう政策が必要かを徹底議論し、その政策をどのような形で国民に発信していくかを考えることだと思う。誰が次の総裁になるかなど今議論する話ではない」

 政権中枢から離れたほうが、旧安倍派幹部たちの姿が国民にどう映っているかがよく見えているようだ。

第3回に続く

※週刊ポスト8月29日・9月25日号

関連記事

トピックス

WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
高校時代には映画誌のを毎月愛読していたという菊川怜
【15年ぶりに映画主演の菊川怜】三児の子育てと芸能活動の両立に「大人になると弱音を吐く場所がないですよね」と心境吐露 菊川流「自分を励ます方法」明かす
週刊ポスト
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
2020年に引退した元プロレスラーの中西学さん
《病気とかじゃないですよ》現役当時から体重45キロ減、中西学さんが明かした激ヤセの理由「今も痺れるときはあります」頚椎損傷の大ケガから14年の後悔
NEWSポストセブン
政界の”オシャレ番長”・麻生太郎氏(時事通信フォト)
「曲がった口角に合わせてネクタイもずらす」政界のおしゃれ番長・麻生太郎のファッションに隠された“知られざる工夫” 《米紙では“ギャングスタイル”とも》
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン