河合優実(左)の溢れ出る“色気”(C)NHK連続テレビ小説「あんぱん」NHK総合 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
豪を亡くした後、徐々に八木へ惹かれるが、それを堪えようとする蘭子の演技にも悶える。
「人は恋をする生き物です。もう誰も好きにならないと思っても、戦場で地獄を見てきたツンデレの八木に、豪にはなかった男の魅力を見出したのではないでしょうか。誰も蘭子の心を止めることはできません。河合優実はその気持ちを体現できるのです」(同前)
24歳ながら大人びた印象の河合。俳優としての魅力をこう分析する。
「存在感、発声、間の取り方に加えて、あの寂しそうな目。こちらの浅い考えをすべて見透かされたような気になる。河合さんの演技はどこか“ノスタルジー”を感じさせるところもあり、それがオジサン世代にもウケているのだと思います。お会いした時、思い切って『山口百恵さんに似ていますよね』と訊いたら、友人からもそう言われたとか。実はお祖母様の若い頃が百恵さんにそっくりだったそうです」(同前)
そんな河合を『あんぱん』の撮影現場で間近で見ていたのが、八木と蘭子の“職場恋愛”の舞台、九州コットンセンター社員の木月アキラ役・齊藤友暁(27)だ。
「河合さんの演技は本当に生々しく、“その場で生きている”と肌で感じ、圧倒されました。無言で八木さんを見つめるシーンでも、『蘭子はいま何を思っているんだろう』と想像をかきたてられ、魅了されました」
役としてその場にいながら、リアリティや深みのある河合の演技に惹き込まれる瞬間が多かったという齊藤だが、「リハーサル時に僕が演じやすいように声をかけてくださるなど、河合さんの気遣いに何度も救われた」と明かす。
“なりきる”とは少し違う
お茶の間でのブレイクとなった2024年のテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)で見せたコミカルな役柄のほか、作品によって様々な顔を見せている。
今年公開の映画『悪い夏』で河合を悪女役としてキャスティングした城定秀夫監督はこう言う。
「初めてオーディションでお会いした時の衝撃はなかなかのものでした。はじめは勝手に近寄りがたい雰囲気を想像していたのですが、素の河合さんは“はにかみ笑い”が魅力的な明るい女性です」