被告人は高校卒業後、職業を転々とし、事件当時はキャバクラ店に勤めていた
猟奇的な事件内容に対し「私はやっていません」
身柄拘束された被告人は、キャラクターが描かれた長袖のTシャツを着て入廷をした。パジャマのような印象だった。顔の半分はマスクで隠れていたが、くっきりとした目元とスッと通った鼻梁から端正な顔立ちをしているのがうかがわれる。肩まで伸びている髪も一部ピン留めするなどして、整えられていた。
起訴状によると、事件当時21歳の男性・Aさんに対する、3件の傷害事件が問われていた。いずれも被告人宅でのできごとだ。
1件目はハサミで左乳頭を切断する加療10日間を要するケガを負わせた事件。2件目は斧で左薬指を切断し回復不能としたケガを負わせた事件。3件目は拳で耳や鼻付近を複数回殴打し、加療3日間のケガを負わせたという事件である。
これら事実について、被告人は1件目、2件目の事実について「私はやっていません」、3件目の事実については「Aから首を絞められたので殴り返しました。またその行為でケガを負わせたとは思っていません」と否認した。声はややか細い印象だったが、聞き取りやすく、また意思をはっきり感じた。
弁護人も被告人の主張に沿う意向を表し、3件目の事実に関しては正当防衛と、暴行行為とケガの因果関係を争う姿勢を示した。