土つかずの豊昇龍だが……
豊昇龍が中日まで全勝で単独首位を走り、1差で大の里が追うという展開の大相撲秋場所。平幕勢による優勝争いとなった先場所とは違い、2横綱がV争いの中心となる本来の土俵となっている。その両横綱は優勝争いだけでなく、懸賞金でも存在感を見せている。なかでも和製横綱・大の里の看板は大きい。
秋場所15日間の懸賞申し込み総本数は3108本。今年1月の初場所前の2955本を上回り過去最高となった。協会関係者が言う。
「大の里人気に引っ張られるかたちで懸賞の申し込み総本数が増加している。新横綱として登場した7月の名古屋場所では、地方場所では最多の2391本で、豊昇龍が新横綱の舞台となった3月の春場所の2152本を239本も更新した。
右肩上がりなの理由は大の里への力士指定本数の増加によるところが大きい。今年の初場所では国技館で行われた昨年9月の秋場所に比べて300本増えたが、力士指定では綱取りの琴桜が223本とトップ。大の里は2位の209本だった。これが初場所で琴桜が5勝10敗と負け越すと、春場所では新横綱として登場した豊昇龍の157本を抜いて大の里が164本と逆転。大の里が綱取りに挑んだ5月の夏場所では力士指定が310本となり、2番手の豊昇龍の158本に大きく差をつけた」
大の里が新横綱として登場した名古屋場所では287本となり、1年前の名古屋場所の2倍(124本)超の水準となった。
「この秋場所では、途中休場が続いた豊昇龍は124本にとどまるなか、大の里の力士指定では344本。これまでのパターンを覆して結びの一番指定(326本)を個人指定が上回ることになった」(前出・協会関係者)