“CS不要論”を一蹴した藤川球児監督だが…
圧倒的な強さで史上最速のリーグ優勝を決めた藤川球児監督率いる阪神だが、日本シリーズに進むにはまず、10月のクライマックスシリーズ(CS)で勝たなくてはならない。実はそこに、大きな不安要素が――。
「プレーオフはやるべきだと思っています。面白いじゃないですか。絶対にやったほうがいい」
東京ドームでの最終戦(9月13日)を前に藤川監督はそう断言して、“CS不要論”を一蹴した。
9月7日の優勝決定は、2リーグ制導入以降で史上最速記録。優勝時点で2位・巨人とのゲーム差は17あり、阪神以外のセ5球団は勝率5割に達しないという稀に見る独走劇となった。ただ、どれだけ2位を引き離しても、10月のCSを勝ち抜かない限り日本一を決める戦いには進めない。それゆえCS不要論が盛り上がり、藤川監督が言及する事態にもなったわけだ。
現時点で阪神以外にCS進出の可能性が高いのは巨人とDeNA。その巨人OB会長で、DeNA初代監督でもある中畑清氏はこう言う。
「オレは巨人、DeNAを応援する立場。CSという制度がある以上、全力を尽くすべきだと思う。ただ、これだけ独走した阪神が日本シリーズに出られなければ、“この世界はどうなってるの!?”という話にもなる。実際、去年のようにリーグ優勝した巨人ではなく3位のDeNAが日本一になることがある。これでいいのかなと感じる気持ちはあるよね」
セでCSが導入された2007年以降、優勝チームの敗退は4回ある。2017年は首位・広島に14.5ゲーム差をつけられたDeNAがCSで下剋上。中畑氏が言及したように、昨年もシーズン3位で貯金2のDeNAが日本一へと駆け上がった。
藤川監督自身、優勝を決めた9月7日に、「リーグチャンピオンという誇りを胸に、また別のゲームを戦っていきます」と口にした。優勝チームは4戦先勝のCSファイナルステージで本拠地開催と1勝のアドバンテージが与えられるが、それでも“別のゲーム”とも言うべき厳しい戦いが待っている。