2001年にデビュー当時の橋本被告(時事通信)
起訴状によると、被告人は元妻(以後、Aさん)、Aさんの父(以後、Bさん)を殺害する目的で、2023年7月の朝にBさんの住宅に侵入し、Bさんに対し唐鍬(からくわ。以後、クワ)を目前で振り下ろし、その後部屋に逃げ込んだAさんを追いかけ尻持ちをついた同人の身体を前にしてクワを振り上げるなどした。しかし抵抗を受けたため、両人に対していずれも全治2週間の打撲、擦り傷などを負わせるに留まった。
この内容について被告人に意見を求める罪状認否に対し、橋本被告の様子は盤上さながらの驚き発言を展開した。
裁判長「この公訴事実に誤りなどはありますか?」
橋本被告「公訴事実はありません」
裁判長「ありませんというのは?」
橋本被告「間違った内容なので、このような公訴事実で起訴はされるべきではありません」
裁判長「クワは振り下ろしていない?」
橋本被告「はい」
本人は公訴事実を否定。しかし弁護人はその後、事実関係、傷害結果については事実を認め、争わないとした。しかし、犯行当時の橋本被告の精神状態が「心神喪失」または「心神耗弱」状態であった可能性を主張し、責任能力について争う意向を明らかにした。橋本被告の否認は想定外だったようで、事前に入念な打ち合わせを行って進行計画を立てる裁判員裁判の法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)は少し動揺する様子を見せていた。