2021年9月、妻を殺害したとして殺人罪に問われた元長野県議の丸山容疑者
長野県塩尻市の自宅で2021年9月、妻を殺害したとして殺人罪に問われて、無罪を主張していた元県議会議員・丸山大輔被告(51)。東京高裁で控訴審判決が行われ、10月1日に“懲役19年”とする地裁での一審判決を支持して、被告側の控訴を棄却した。
事件発覚時、丸山被告はメディアを通じて、「真相を早く知りたい」などと訴えていただけに、翌2022年11月、彼自身が殺人容疑で逮捕されたニュースは世間に衝撃を与えた。全国紙の社会部記者が解説する。
「司法解剖の結果、妻の死因は窒息死と断定されました。当初は強盗の仕業とみられていましたが、手などで首を絞め続けた痕跡からは強い殺意がうかがわれ、謎の多い事件として報じられていました。
事件が起きた夜について、丸山被告は、『長野市の議員会館に宿泊していた』と説明していましたが、捜査の中で、彼の車が長野市と塩尻市の間を移動する様子を複数の防犯カメラが捉えていることが判明しました。
また、丸山被告に妻とは別に交際していた女性がいたことや、酒造会社の経営をめぐり、妻の親族から多額の資金援助を受けていたことも明らかになっています。」
丸山被告は、長野県塩尻市の老舗酒造「笑亀酒造」に生まれた。慶應義塾大学を卒業後、先代社長の急逝により2002年に社長に就任。2019年の選挙で自民党の公認を受けて当選し、当時は2期目だった。過去2回の選挙はどちらもトップ当選で、地元の支持は厚かった。