習近平国家主席らを輩出した精華大学で何が(写真/EPA=時事)
中国の名門大学である清華大学(北京市)において、教職員および学生が大学当局の許可を得ずに営利目的のキャンパスツアーを実施していたことが発覚した。これにより、大学の秩序が著しく乱されたとして、関係者に対して厳しい処分が下された。香港紙「星島日報」が報じた。
大学側の調査によれば、2025年9月初旬から、教職員および学生らがインターネット上で「清華大学観光ツアー」と称して参加者を募集し、料金を徴収していた。彼らは、大学関係者にのみ許可されているキャンパス内の車両を手配し、博物館、レストラン、教室などを案内する「闇ツアー」を実施していた。
こうした行為により、大学本部には「部外者がキャンパス内で大声を出し、我が物顔で歩いている」といった苦情が多数寄せられていたという。大学側と連携し地元公安部(警察)が違法ツアーに関与した20人以上を検挙。教職員2名が逮捕され、学生の中には退学処分を受けた者もいた。その他の学生も奨学金の取り消し、大学院受験資格の剥奪などの厳しい措置を受けた。
清華大学は、習近平国家主席、胡錦濤元国家主席、朱鎔基元首相などを輩出した名門校であり、北京大学と並び中国を代表するトップ大学として知られている。今回の事件は、大学の威厳と教育環境を損なう重大な問題として、社会的にも大きな波紋を呼んでいる。
大学側は今後、キャンパスへの訪問については実名予約制を徹底し、校門からの入退場や指定ルートで回ることを義務付けるなど、管理体制の強化を図る方針だという。また、商業目的のツアーやガイド行為については一切認めない姿勢を明確にしており、違反者には厳罰をもって臨むとしている。
今回の事件は、学生にとっては「ちょっとした小遣い稼ぎ」のつもりだったかもしれないが、将来を左右する取り返しのつかない愚行となってしまった。