学生すら知らない「秘密の高級鮨店」の全貌に迫った(右 時事通信フォト)
今年創立100周年を迎えた近畿大学。のべ3万5000人という学生数は日本大学、早稲田大学に次ぐ3位というマンモス大学で、財界から政界、芸能界などに多数の卒業生を送り出してきた。
多くの学生が通っている近大だが、現役の学生すらその存在を知らない構内の「飲食店」が、食通の間で密かに話題になっている。
「東大阪キャンパスに一見客お断りの高級寿司店『THE LOUNGE(ザ ラウンジ)』という店があるんです。ただ、学生の利用は不可です。ほとんどの現役近大生も、学内にそんな店があることを知りません。紹介制であり、一見客は予約できないため、これまでほとんど明るみに出なかったようで、美食家の間では『近鮨』なんて呼ばれています」
こう語るのは今年初めて寿司店を訪れた女性だ。なぜ寿司店なのか。そのヒントは同大の水産研究所にある。
世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功させた「近大マグロ」は広く知られている。開催中の大阪・関西万博でも「近畿大学水産研究所」が会場内にイートイン可能な店舗を構え、近大マグロ以外の養殖魚も提供している。グルメライターはこう語る。
「『近大ブリヒラ』や『近大クエタマ』といった独自のハイブリッド種を開発。ブリヒラとは、ブリのうまみとヒラマサの歯応えを掛け合わせたもので、クエタマは高級魚のクエと絶滅危惧種のタマカイを併せて持っているとして売り出しています」