「もう撮影が折り返しているので、本当にあっという間という印象です」
高石は小泉八雲の妻・松野トキ役を演じる。高石にとってトキの役柄は「自分と全く同じ」と明かす。
「トキが口にする言葉が、驚くほど自分が思っていることばかりで。『恩返し』とか『幸せ』とか、そういった単語レベルから私が日々使うようなものばかりですし、『こうなったら私はこうするな』って思うことをトキがしているから不思議な気分です。
私は台本を読む時に、いつも自分を消して役の感情の流れで理解するようにしています。芝居でも“一歩引いて役で返す”という意識があります。普段演じる時は、例えばこの時は笑わないから自分も笑わないように意識して制御しているし、当たり前ですが、それは役であって自分ではない。
でも、トキの場合はトキという役で返しているけれど、自分でも返している感覚がある。自分の反応でもあるんです。だから役であっても、私が面白いと思ったものをそのまま笑っているし、私が嫌だなと思ったらそのまま嫌な空気が出しているし、出てしまっている。
この間も、私が『すみません』と言う台詞に対して、キャストさんが本当に撮影がストップしたと思って、お芝居が止まってしまうこともありました。必ずしもリアルさが全てというわけではありませんが、演じる時の身体の反応は『ばけばけ』が圧倒的にリアルな私に近いのだと思います」