私は英語が話せるわけではないのですが、最近はなぜか、トミーさんの言っていることがだんだんと分かるようになってきていて」
「確かに私も攻めた作品だと思っていますが、その怖さは全くないんです。きっと『ばけばけ』には『この人がこう思うからこうしよう』という忖度はなく、『私たちはこういうものを作ってきました』と提示する作品になるのではないかと思っています。
プロデューサーの橋爪(國臣)さんを筆頭にその姿勢を出されるのは、すごく格好いいと思いますし、演出の村橋(直樹)さんをはじめ、制作陣の皆さんの強い気持ちを受け取りながら日々撮影に臨んでいます」
今までの朝ドラ作品のどれにも似ていない、新たな挑戦といえる『ばけばけ』の見どころを聞くと、高石は「全部です」と笑顔で答える。
「衣装、美術、景色全部もこだわり抜かれていますし、ご覧いただけたら、『なんだ、そっちか』って言われるんじゃないのかなと思います。ただただシリアスな物語だと思われるかもしれませんが、コメディーもある。時代背景や設定も相まって壮大な雰囲気が画面上から出ているかもしれませんが、人間味が溢れた可愛らしい瞬間がたくさん詰まっていると思います。
トキ役のモデルとなった小泉セツさんは壮絶な人生を送っている方ですが、脚本のふじきみつ彦さんは『何もない日常を描きたい』とおっしゃっていて。人生には時に大きな波がやってくるけれど、どんな人にもいい意味でくだらない日常も存在している。これからのストーリーも楽しんでいただけると思います。私含めてチーム全員が『この作品を愛している』という実感を持ちながら芝居をしています。ぜひ見てほしいです」
(後編に続く)
【プロフィール】
高石あかり(たかいし・あかり)/2002年12月19日生まれ。身長160cm。宮崎県出身。主な出演映画に『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ、『夏の砂の上』(2025)、出演ドラマに『御上先生』(TBS系)、『アポロの歌』(MBS)、『グラスハート』(Netflix)など。Xアカウントは【@takaishi__akari】
撮影/神藤剛