米スカウトも注目する健大高崎・石垣元気(時事通信フォト)
10月23日のドラフト会議を前に、NPB12球団だけでなく、メジャーからも熱視線が注がれる高校生がいる。群馬・高崎健康福祉大学高崎高等学校(健大高崎)の最速158キロ右腕・石垣元気だ。
今夏の甲子園では初戦で敗れ、リリーフで2回を投げるに留まったが、世代ナンバーワン右腕としてドラフト上位指名候補と目されてきた。9月のU-18野球W杯では高校日本代表の守護神として活躍し、世界一に輝いたアメリカを相手に157キロを連発すると、アメリカのリック・エクスタイン監督はこう絶賛した。
「アメリカの同世代の選手にもない力強いストレートがある。スライダーもやっかいだ。彼がマウンドに上がる前に、勝負を決めたいと考えていた」
大会MVPに輝いた二刀流のコールマン・ボスウィックもストレートの質に言及した。
「ボールの回転が素晴らしく、もちろん、スピードもある。簡単には打ち返せないストレートだ。彼には素晴らしい未来が待っていると思う」
こうした現場の声は米国本土にも即座に届くのだろう。MLBスカウトの評価も爆上がりした。同校の青柳博文監督が話す。
「入学した時から確かに球は速かったですが、正直、158キロまで記録するほどスケールの大きな投手に成長するとは思っていなかった。W杯でアメリカを相手に好投したことで、(9月以降)メジャー球団から問い合わせが急激に増えました。これまでドミニカなど中南米の選手のスカウトに力を入れていたメジャーの球団が、コントロールの安定した日本の高校生の発掘に力を入れていると聞きました」
石垣には国内の全12球団に加えて、メジャー10球団からも問い合わせがあり、ドジャースやヤンキース、フィリーズと面談を実施したという。今年のドラフトは横浜高校の大型外野手・阿部葉太をはじめ、高校生の有望選手が軒並み大学進学を表明するなか、日米球団による“争奪戦”の様相を呈しているのだ。