イギリス人女性2人のスーツケースから合計35kg以上の大麻が見つかり逮捕された(バニスター被告のInstagramより)
米・ニューヨークへの旅行を終え、帰国したイギリス人女性2人のスーツケースから合計35kg以上の大麻が見つかったのは2023年12月(現地時間、以下同)のことだった。
違法薬物を所持していたのは、ソフィー・バニスター、リーバイ・エイプリル・ウォーリーという30代前半の女性2人で、「3日間の買い物に行っただけだ」と主張したが、その場で薬物の密輸を計画しているテキストメッセージが発見されたために逮捕された。
バニスター被告らに有罪判決が下されたのは、今年4月2日のこと。ただし、ともに18か月の執行猶予が付いている。法廷で判決が言い渡されたとき、被告らは泣きながら手を握り合ったという。
バニスター被告は判決後、自身のSNSでこう発信している。
〈リーバイ・ウォーリー、誰がなんと言おうと私たちの友情は揺るがないわ〉
逮捕以降、2人はネット上で誹謗中傷を受けていたため、判決までの15か月間は「拷問の日々だった」と述べている。親友2人の身に何が起きていたのか。大手紙国際部記者が解説する。
「バニスター被告らのスーツケースからは、合計70個以上の大麻が入ったビニールが押収されました。現地報道によると、違法薬物は本人が使用するためではなく、仕事として持ち込んだもの。2人はニューヨーク旅行を夢見ており、また“運び屋”の仕事で多額の報酬を得られることを期待していたため、真剣な話し合いの末に実行を決めたということです」(大手紙国際部記者)
密輸に至るまでの裏側を、2人は英タブロイド紙『デイリー・ミラー』の独占インタビューで語っている。大手紙国際部記者はこう解説する。
「ある時、スペイン・マルベーリャで出会った女性からInstagramでダイレクトメッセージが届いたそうです。その女性はまず、クリスマス頃にニューヨークへ旅行したいかどうかだけを尋ね、バニスター被告らに〈いくつかの時計を持ち帰るだけの簡単なお仕事があるの〉と持ちかけました。夢のような条件に目が眩み、バニスター被告らはリスクについて『全く考えていなかった』とのことです。
彼女らは、『勧誘された時点では、事件の全貌を認識していなかった』と主張。一方で、裁判官は『あれほど大量の大麻に気づかなかったはずはない』と断罪した。しかしバニスター被告には借金があり、ウォーリー被告には子供がいた。両女性ともに経済的な状況から搾取されやすい立場にあったとの主張が裁判で認められたうえ、前科がなかったことから情状酌量の余地があるとして、執行猶予がつきました。
有罪判決を受けて、バニスター被告らは『とても後悔している』『このようなことに2度と関わらないことを誓う』と反省の意を示しています」(同前)