ボウヤー氏の仲間が撮影したという水原。折れた大谷のサイン入りバットを手に笑顔を見せている(ボウヤー提供)
「出頭には妻について来てもらう。塀の中での生活を考えるとストレスだ。家族のこと、そして何より子供のことが心配なんだ。5歳の息子、キングストンには『パパは仕事でしばらく家を留守にする』としか伝えていない。刑務所なんて言っても、わからないからね」
出所したら「日本で暴露本を出版したい」と意気込むボウヤー。すでに米国内で自費出版した暴露本『RECALIBRATE(再出発)』を日本向けに塀の中で書き直すつもりだという。はたして彼の口からこれ以上、語られる真実はあるのだろうか。
【プロフィール】水谷竹秀(みずたに・たけひで)/1975年、三重県生まれ。上智大卒。新聞記者、カメラマンを経てフリーに。2004~2017年にフィリピンを中心に活動し、現在は拠点を日本に移す。2011年『日本を捨てた男たち』で開高健ノンフィクション賞を受賞。最新刊は『ルポ 国際ロマンス詐欺』(小学館新書)。2022年3月下旬から5月上旬にはウクライナで戦地を取材した。