ボウヤーが出版した“暴露本”。6章に大谷と一平との出来事について書いている
2021年6月にオープンした「リゾート・ワールド」は、88エーカーという広大な敷地にそびえる、真っ赤な本を開いたような巨大な建物が特徴だ。その全面が煌びやかなLEDスクリーンに彩られている。リゾート内には、ヒルトン、コンラッドヒルトン、クロックフォードと、3つの異なる高級ホテルのブランドが同居している。
ボウヤー一家が宿泊していた「パレス」はクロックフォードに属し、部屋の広さは650平方メートル。スイートルームが4部屋あり、他に室内プール、ミニシアタールームのほか、ビリヤード台が設置されたゲームルームなどが完備され、見るからにゴージャスな雰囲気を醸し出している。ボウヤーはその部屋を拠点に優雅なひとときを過ごしながら、大谷マネーでまさしくカジノ三昧の日々を送っていたのだ。
「仲間の口座に送金された大谷マネーを『リゾート・ワールド』に送金し、それをギャンブルに注ぎ込んだ。大半はバカラだ。ブラックジャックもたまにやったね。1回のカジノ旅行で負けた最高額は200万ドル(約3億円)だ。それでもやめられなかった。俺はギャンブルが好きだから」
米捜査当局の調べによると、ボウヤー被告は大谷マネーのうち少なくとも930万ドル(約14億円)をカジノに送金し、自身や仲間のギャンブルに使われたことが明らかになっており、今回の取材ではそれ以上にギャンブルに注ぎ込んでいたことを認めた形だ。このカジノへの送金が、マネーロンダリングに当たるとされた。
このほかボウヤーは大谷マネーの一部を使い、スポーツ賭博にも手を出していた。