「東洋大の正式な卒業証書」のコピーを見る、シースルージャケット姿の田久保市長(共同通信)
「単位数を根拠に刑事告発に踏み切った」
「単位数にかかわる記録です。4年間で、卒業要件単位数の半分もいかないような数字だった。関係者は『どう考えても勘違いできる程度ではない』と判断し、これを根拠に刑事告発に踏み切ることにしたのです」
田久保氏が所属していた法学部の当時の卒業要件単位数は132単位。前出の関係者にこの数字を示して確認を試みたところ、「とうてい及ばない。著しく低い数字」と証言したのだ。
しかし、詳細については口が重かった。そこでさらに別の百条委員会関係者にも話を聞いたところ、こう証言したのだ。
「マスコミに対して、この情報が“完全オフレコ”だったのには2つ理由がある。ひとつはプライバシーに関わる情報だったから。それと、東洋大学にあらぬ誹謗中傷がいかないようにするためです。
しかしこれは非常に大事な問題ですし、市民も知って然るべき情報。たとえば取得していたのが40単位か100単位かでは、“勘違い”という認識が大きく変わるはず。たったあれだけしか単位をとっていなかったのに、“勘違い”と口にしたのは誰がどうみても悪質です」
東洋大学にも一連の事実確認を求めたが、「8月に議会から記録請求があり、回答しました」と答えるのみで、内容についての明言は避けた。
一方、当の本人はなんと答えるか。NEWSポストセブンは10月14日、田久保氏の後援会を通じて質問状を送ったが、現在までに連絡はない。
“タクボる”(嘘をつく)なる不名誉な流行り文句まで広まり、SNSでも嘘つきの代名詞のように揶揄されている田久保市長。今後、汚名の返上は可能なのだろうか──。