来年1月は三役以上が揃い踏み
今年は堂々と売られている!?
ここ数年は、ケガを抱える横綱・照ノ富士が休場がちで引退間近と囁かれ、大関陣もなかなか地位を保てない「番付崩壊」の状態が続いたため、カレンダー制作には苦労のあとが窺えた。
「2023年のカレンダーでは2月と9月にひとり横綱・照ノ富士が登場したが、土俵に上がったのは5月(夏場所)と7月(名古屋場所)場所だけ。大関陣として3月に貴景勝、正代、御嶽海がそろい踏みとなったが、正代はカレンダーが発売された2022年11月(九州場所)で大関陥落となり、紙面に登場した3月(春場所)は前頭筆頭。御嶽海も発売された九州場所で関脇に陥落し、3月の春場所では前頭3枚目となっていた。
2024年のカレンダーも前年の9月の秋場所の番付で構成されたものの、ひとり横綱の照ノ富士が単独で登場するのは1月だけ。本場所がない2月は三役陣ら9人と、8月は大関陣と4人で一緒に収まっている写真が使われた。1年の途中でいつ引退してもおかしくないように、という工夫をしたのではないか。照ノ富士は1月(初場所)と7月(名古屋場所)は優勝したが、残り4場所は休場でした。
他にも2024年は、貴景勝、霧島、豊昇龍の3大関(当時)が本場所のない10月に3人で登場していたが、10月時点で豊昇龍以外は大関を陥落しており、貴景勝は9月の秋場所3日目に引退してしまっていました」(別の協会関係者)
そういった難しさがあるためか、ここ数年は九州場所の売店では相撲絵や国技館を表紙に使用した公式カレンダーが売り場の片隅でひっそりと売られていた。
一方で今年は、大の里と豊昇龍の東西の横綱が収まった表紙のカレンダーが堂々と売られている。1月は秋場所の協会挨拶で三役以上が勢揃い。2月は大の里、3月は豊昇龍が横綱の肩書で登場。4月は横綱2人の揃い踏み。5月は大関・琴櫻、関脇・若隆景と霧島、小結・高安と安青錦が、6月と7月は幕内力士が登場している。8月は大の里、9月は豊昇龍と横綱が再び登場し、10月と11月は大関、関脇、小結がまわし姿で再び姿を見せる。締めの12月は十両力士が掲載されている。
「大の里の一強時代となる可能性もあるが、大関と違って陥落がないため2横綱時代はしばらく安泰でしょう。やはり強い横綱がいると全体が落ち着きます。秋場所時点の番付のため、引退した人気力士の遠藤(現・北陣親方)や宝富士(現・桐山親方)も十両力士として化粧まわしで登場していることもあり、売れ行きは好調です」(販売員)
大関が相次いで陥落したり、平幕優勝が出たりするのはガチンコ時代の大相撲の魅力のひとつ。来年のカレンダーにどのようなちぐはぐさが生まれるのか、という点にも期待をしたい。
