佐川宣寿一覧/4ページ

【佐川宣寿】に関するニュースを集めたページです。

安倍昭恵さんに「人格疑われる」の声、官僚の乱開始か
安倍昭恵さんに「人格疑われる」の声、官僚の乱開始か
 政権を揺るがす大問題に発展した森友問題。そもそもこの問題は“アッキード事件”と揶揄され、安倍晋三首相(63才)の妻・昭恵さん(55才)が引き金を引いたといえる問題だ。しかし、朝日新聞が決裁文書書き換え疑惑を報じた3月2日には、《能舞台においてアジアのファッションショー。モデルの皆さんが全員足袋を履いているのが印象的でした》 とフェイスブックに投稿。書き換え問題で国会が空転していた7日には都内で映画鑑賞したことを投稿した。 そして近畿財務局職員の自殺が報じられた9日。その前日の国際女性デーのイベントに参加したこんな写真をアップした。ピンクのワンピース姿で満面の笑みを浮かべ、日本酒の樽の前に木槌を持って「鏡開き」する昭恵さんの姿──。《昨年に引き続き、He for She,HAPPY WOMANのイベントに参加しました。大好きなART FAIR TOKYO 2018のオープニングもありました》 写真には、そんな文章が添えられていた。全国紙政治部記者が顔をしかめる。「普段はフォーマルな服装が多い昭恵夫人ですが、この日はめずらしくピンクのワンピースでした。職員が自殺したのは7日で、森友問題に関連して自殺者まで出たという情報は耳に入っていたはずなのに、あんな服装でお祝いの写真を投稿するなんて…。“空気を読めない人”というレベルではなく、人格を疑われても仕方ありませんよ」 しかも昭恵さんは2014年3月に投稿した籠池夫妻とのスリーショットをいまだにフェイスブックで公開しており、無神経と言わざるを得ない。「そもそも森友問題が解決しないのは、昭恵さんが証人喚問に応じないのも一因です。国会そっちのけで“スピリチュアルな活動”に精を出していますが、昭恵さんが早期に国会で真実を話し、政府が真摯に調査していれば、近畿財務局の職員は死なずにすんだはずです。昭恵さんと安倍首相の罪は重いと言わざるを得ません」(前出・政治部記者) 公文書の書き換え問題は、安倍政権下における「日本の権力の在り方」にも重大な問題を投げかけている。 立法、司法、行政の「三権分立」。国の権力が1点に集中しないための基本的なルールだ。お互いが独立し、監視しあうことで、権力が暴走しないように制御するシステムである。一般に、国民が唯一選挙で選ぶことができる立法が他に優越するとされる。「安倍一強政権が続いてきたことで、そのバランスが崩れてしまいました。行政府(内閣・官僚機構)は立法府(国会)に捏造した文書を出すほど軽んじているし、司法府(検察)は官邸の顔色を見て動いています。森友の土地売買問題で、検察は“買い手”の籠池夫妻を逮捕して長期拘留しているのに、“売り手”の官邸・官僚には手を出さないのが、そのいい例です。 しかし、ここにきて風向きが変わってきました。霞が関の中心である財務省は超エリートの佐川宣寿氏(前・国税庁長官)が失脚させられ、ノンキャリアの自殺という悲劇を経験しました。官僚機構は、このまま安倍官邸の“忖度”を続けても、割に合わないと感じたことでしょう。 今後は安倍官邸に対する、官僚たちの反乱が起きるはずです。いかに安倍官邸が無理な要求を役人たちにしてきたのかが、官僚たちのリークによって今後も次々に明るみにでるかもしれません。検察も、もう黙っていられないでしょう。公文書の偽造をしたのは誰か、指示を誰が出したのか、そこに政治家の関与がなかったかを調べ上げて事件にするはずです」(ジャーナリスト・伊藤博敏さん) 安倍政権が無傷でいられるわけはない。ある政権中枢筋は、「麻生財務相は今国会で来年度予算が成立したら辞任だろう。安倍首相もこの秋の三選を目指す総裁選への出馬が難しくなった」と語る。※女性セブン2018年3月29日・4月5日号
2018.03.15 16:00
女性セブン
森友問題 自殺した職員の人柄と亡くなる前の嘆き
森友問題 自殺した職員の人柄と亡くなる前の嘆き
 国会では、安倍首相の責任問題や、麻生財務相の進退など、喧しく騒々しい事態が起きているが、その話の前に、1人の男性の人生に触れたい。青山久志さん(仮名)だ。 岡山県の自然豊かなある町で生まれ育った青山さんは、地元の高校を卒業すると国鉄に入社。日本がバブル経済に向かっていた頃だ。経理部門の仕事をしながら、私立大学の夜間学部に通って勉強を続けて卒業。誰もが認める努力家だった。 口癖は「もうええがなァ」。兄弟や友人がヘマをして迷惑をかけられても、いつも、まァ、もうええがなァ、と笑って許した。きまって友人の悩み事や身の上相談の聞き役だった。自分の弱音を吐くタイプではない。小柄だが、背筋がピンと伸びていて、歩くのが速くて、明るくてハキハキした性格だった。 青山さんは1987年に国鉄が解体して民営化されると、大蔵省の中途採用試験を受けて合格した。ノンキャリアの公務員として、関西にある地方局だけでなく、東京・霞が関の本省で働いたこともある。「本省は残業が多くて大変やけど、いろんなところで働いて勉強になったこともある」と笑顔で家族に語っていた。20代で結婚した同郷の妻とふたり暮らしで、子供はいなかった。結婚前は外食が好きだった青山さんが「家でご飯を食べるのがいちばん好き」というほど、妻は料理上手だ。 趣味は書道。師匠に学んだ有段者で、書道家としての「雅号」も持つ。中国まで行って筆を買ってきたこともあった。 建築家の安藤忠雄氏の熱心なファンでもあった。およそ15年前、兵庫県神戸市にある安藤氏デザインのマンションに空室が出ると、迷わず購入して引っ越した。住民の集まりにもよく顔を出す評判のいい夫婦。青山さんと同時期にマンションの管理組合の役員を務めた住民が語る。「青山さんは活発に意見を言うかたでした。とてもオシャレで、デザイナーとか建築家とか、そういう職業だと思っていました。聡明で、自分のことよりもまず、“住民の和を保つためにはどうしたらいいか”を真剣に考えているかたでしたね」 青山さん夫婦は、近隣住民とは毎年、バレンタインデーのチョコレートを交換していた。今年の2月14日も、妻が近所にチョコを届けた。 ──3月7日の夕刻。近所の学校の生徒たちが帰宅する時間帯のことだった。マンションの前に救急車が止まった。救急隊員が青山さんの部屋に入っていき、ストレッチャーに乗せた青山さんに人工呼吸と心臓マッサージをしながら、急いで病院に運んだ。しかし、青山さんは帰らぬ人となった。働き盛りの54才だった。 10日午前10時、岡山県の山中にある斎場。火葬炉があるだけの小さな施設で、妻が棺に向かって泣き崩れていた。「憔悴しきった表情で、『どうしてこんなことになったのか』『夫は巻き込まれてしまった』と唇を震わせていました。悲しさのなかにも悔しさと怒りが入り交じっている様子でした」(遺族の知人) 気さくで、正義感が強い、ごく普通の公務員だった。趣味があって、家族もいた。なのに、なぜ青山さんは自ら命を絶たなければならなかったのか──。それについては詳しく後述しなければならないが、まず言えることは、青山さんは日本の政治の歪みを一身に引き受け、犠牲になったということだ。青山さんの家族が言う。「すべてが明らかになってほしい。この死を無駄にしてほしくない」 青山さんの部屋からは遺書が見つかった。この1年間、日本の政治を停滞させた「森友問題」は、この遺書をきっかけに、ようやくその深い闇が暴かれようとしている。しかし、それは青山さんにとって、あまりにも遅かった。◆「100時間の残業」「異動が叶わなかった」「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員もやめる」 そう啖呵を切ったのは安倍晋三首相(63才)だ。昨年2月17日の国会での発言だった。発端は、大阪市の学校法人「森友学園」が9億円以上と目される国有地をタダ同然で入手したことだ。「総理夫人の昭恵さん(55才)がその土地の新設小学校の名誉校長を務めていたり、国有地売却をめぐって財務省に問い合わせたりしたことから、総理や昭恵夫人が政治的な圧力をかけたり、口利きしたのではないかと疑われました。昨年3月の証人喚問では森友学園理事長の籠池泰典氏が、『昭恵さんによる100万円の寄付』や『口利きの証拠となるFAX』という爆弾証言を連発して、さらに問題が注目されました」(全国紙政治部記者) しかし、安倍首相も、麻生太郎財務相(77才)も、財務省の担当責任者だった佐川宣寿・理財局長(当時、60才)も、木で鼻を括ったように「何の問題もない」という国会答弁を繰り返した。昭恵さんに至っては、国会で証言さえしていない。さらには野党の力不足もあって、“臭い問題にフタ”がされそうになっていた。 朝日新聞が3月2日朝刊1面でこう報じたのは、そんなタイミングだった。《森友文書 書き換えの疑い 財務省、問題発覚後か 交渉経緯など複数箇所》 簡単に言うと、財務省が森友学園に土地を“激安な値段”で売ったときの「決裁文書」が改ざんされていたのではないか、という指摘だった。「決裁文書は、『役所の決定とその理由』が書かれた重要な文書です。それを見れば、今回の森友問題の場合、どういう経緯で土地が安く売られたのかがわかります。安倍首相も麻生大臣も佐川局長も、“ほら、みなさん、決裁文書を見てくださいよ。何も問題はないでしょ?”とタカを括っていたわけです。しかし、その決裁文書が改ざんされていたかもしれないと朝日新聞が報じたので、今までの政府の資料はウソで、説明もすべてウソかもしれないとなり、国会が大騒ぎになりました」(前出・政治部記者) そんな渦中で起きたのが、前述の青山さんの自殺だった。亡くなった2日後の3月9日、《近畿財務局職員が自殺「森友」国有地売却を担当》(毎日夕刊)などと報じられた。 青山さんは、財務省の地方局である「近畿財務局」で、森友学園に土地を安く売った部署に所属していた。昨年2月に森友問題が報じられると、問題の処理に追われ、国会対応のための本省への報告に追われ、取材窓口として殺到するマスコミ対応に追われた。昨年8月、青山さんは親族にこう語っていたという。「ここ数か月、毎月100時間以上の残業が続いていて、体調を崩した。心療内科に通っている。『混合性不安抑うつ障害』と診断されて薬を処方されたが、薬が合わないのか夜も眠れない。体力的にかなりしんどい。財務省の夏の定期異動でも、希望をしていたが異動が叶わなくて残念だよ。どこまで頑張ればいいのか…」 森友への土地売却に関係した職員はキャリア組を中心に次々と異動していき、残されたのは青山さんだけだった。その後、秋になると青山さんは休職を決断し、そのまま復職することはなかった。「常識が壊れた」――親族の耳には、青山さんのそんな嘆き声が今でも焼きついている。親族が語る。「彼からは“国有地を扱う仕事をしている”という以上の細かい仕事の話を聞いたことはありません。ただ、今振り返ると、心身共に病気になってしまうぐらい、きっと耐えがたいような“汚い仕事”をさせられていたのではないでしょうか。もしかして、『文書の書き換え』も強要されたのかもしれません。正義感と責任感が強い彼が『常識が壊れた』と話したのは、そういう意味だったと思います」 森友文書の改ざん疑惑が大炎上すると、財務省は文書にかかわった職員からの聞き取り調査を始めた。「休職中だった青山さんも急きょ呼び出され、3月6日に登庁したそうです。その翌日、青山さんは命を絶ちました」(政府関係者)◆佐川氏は官邸による事実上の更迭 警察が青山さんの死後すぐに「自殺」と断定できたのは、明確な遺書が残されていたからだ。捜査関係者が明かす。「遺書は封筒に入っていました。財務省職員として森友問題にかかわり、どれだけ辛酸を舐めたかが克明に記されていました。森友問題を矮小化するためにどのように関与したのか、それが誰の指示で行われたのかはっきりと書かれていたんです。つまり、“財務省本省の指示によって決裁文書の改ざんをさせられた”と告白する内容でした。 そして、遺書のなかには森友問題の財務省側の責任者で、青山さんの上司に当たる『佐川宣寿』というフルネームの記載があり、ほかにも3、4人の実名があったそうです。また、遺書が入った封筒には森友問題に関連する『重要書類』も同封されていたといいます」 それに衝撃を受けたのは政府・官邸だった。自殺の翌日の8日には、当時の近畿財務局局長が官邸に出向いて対応を協議したという。 翌9日には、遺書に名前のあった佐川氏が国税庁長官を辞任した。官邸による、事実上の更迭だった。「政府は、“自殺の事実そのものを伏せられないか”と動いたようです。青山さんの存在を“揉み消そう”と企てたわけです。プライバシーの問題もあって、遺族が認めない限り、警察は死因が自殺であることを公にしないので、自殺が表沙汰にならないこともあり得ました。しかし、遺族の気持ちがそれに納得しなかったので、政府も“自殺を伏せるのは無理だ”と判断したようです」(前出・捜査関係者) そして事態は一気に動き出す。12日、財務省が森友文書の14か所の書き換えを認めて謝罪した。同時に、原文からどの部分を削除したのかを公表した。政治ジャーナリストの野上忠興さんが指摘する。「安倍首相自身が“自分や妻が関係していたら議員辞職する”と国会で述べた通り、森友問題の核心は、昭恵さんの存在が土地売買に関与していたかどうかという点です。安倍首相は国会答弁でムキになって、昭恵夫人は私人であり、関与は一切ないと主張してきました。しかし、今回の森友文書の書き換えでは、『安倍昭恵』の文字が消され、国民の目から隠蔽されていたことが明らかになりました。決裁書に名前が載っているということは、土地売買において財務省の判断要素の1つ、つまり忖度があったと受けとめられても弁明の余地はないでしょう」 森友文書にはもともと、籠池氏の発言として、《「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人から『いい土地ですから、前に進めてください。』との言葉をいただいた。」》 という記述があった。さらに、籠池氏が、《森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示》したという文言もあった。しかし、それらの言葉は財務官僚の手によって忽然と消されていた。「もともと近畿財務局はムリな値引きを迫る森友側との交渉に乗り気でなく、契約破棄まで考えていました。ところが2015年9月に昭恵さんが小学校の名誉校長となると風向きが一変し、一気に交渉が進みました。決裁文書から昭恵さんの名前や『本件の特殊性』という文言を削除したことは、彼女の影響力がいかに強かったかを逆に物語っています」(前出・全国紙政治部記者) 森友文書の書き換えが発覚し、この1年間、安倍首相や政府がウソの資料をもとに説明を繰り返していたことが明らかになった。それでもまだ安倍政権は逃げの一手を打っている。「麻生財務相は会見を開き、“書き換えは佐川氏を中心とした財務省の一派がやったこと”と説明しました。官僚に罪を被せて、政治は逃げる、ということでしょう。組織のトップである財務大臣が不祥事を受けて責任を取るのは当たり前のことですが、平然と“まだ進退は考えていない”と言う。しかも、事実を隠ぺいする過程で、1人の役人の命が犠牲になりました。そのことをヘラヘラしながら会見で受け答えする大臣の姿を見て、国民はどう思うのでしょうか」(政治評論家・伊藤惇夫さん)※女性セブン2018年3月29日・4月5日号
2018.03.15 07:00
女性セブン
森友文書書き換え報道 財務省内ではリーク犯探しも
森友文書書き換え報道 財務省内ではリーク犯探しも
 森友学園問題で交渉を担当した近畿財務局の職員が自殺し、佐川宣寿・国税庁長官が辞任、結局「書き換え」を認めるなど、政府・財務省は大揺れに揺れている。財務省が国会に提出した森友学園への国有地売却文書の「書き換え」という朝日新聞の“爆弾報道”は、安倍政権に大きなダメージを与えた。最も衝撃を受けているのは自民党だろう。小泉進次郎・筆頭副幹事長の危機感あふれる発言がそれを象徴している。「今までの(森友)問題とは質が違う。与党としての自浄能力も試されている」 まともな政治家であれば、顔色を変えるのは当然だろう。霞が関の中心である財務省が、憲法で「国権の最高機関」と定められた国会に“虚偽”の文書を提出していたとすれば、議会制民主主義の根幹にかかわる重大事態だ。役人が首相の意向を忖度して一学校法人に便宜を図ったかどうかというこれまでの森友問題とは全く次元が違う。 政府の対応を見ても事態を深刻に受け止めていることは明らかだ。朝日の報道が事実無根であれば、「大の朝日嫌い」の安倍晋三首相はそれこそ鬼の首を取ったように即座に反論してみせるはずだが、今回はダンマリを決め込んでいる。 批判の矢面に立つ麻生太郎・副総理兼財務相は、発言を二転三転させた。3月5日の参院予算委員会では、検察の捜査中であることを理由に、「口裏合わせととられかねないことは捜査当局から控えるように言われている。個別調査はなかなかしにくい」と調査の引き延ばしを図ろうとしているように見えたが、翌6日には一転して「全省あげて調べる」と述べた。 財務省内では「誰が朝日にリークしたのか犯人捜しが行なわれている」(同省関係者)と囁かれるが、麻生氏が態度を変えたのはそんな理由からではない。「麻生さんは、この件で役所から何の報告も受けていなかったが、結局書き換えていたことが明らかになった以上、最終的には自分が泥をかぶって詰め腹を切るしか政権を守る方法はない、と覚悟を固める可能性がある」(自民党幹部)※週刊ポスト2018年3月23・30日号
2018.03.12 07:00
週刊ポスト
大阪の税務相談 20%が「今年の申告、やり放題?」と聞く
大阪の税務相談 20%が「今年の申告、やり放題?」と聞く
 東京・国税庁前では「納税者一揆」のデモ隊が庁舎を包囲し、「佐川を出せ!」と声を上げた。森友学園問題で虚偽の国会答弁をしていた疑いが取り沙汰されている佐川宣寿・国税庁長官への憤りが渦巻いているのだ。そして、2月16日から始まった確定申告会場でも怨嗟の声が渦巻いていた。 東京・練馬区の税務相談会場から出てきた68歳の男性は、政府が掲げる「働き方改革」について語りはじめると次第に声が荒くなっていった。「年金の他に多少のアルバイト収入があるから、源泉(徴収された税金)を取り戻すために申告に来ました。政府は働き方改革で70歳まで働きましょうというけど、じゃあどこで働けばいいんですか? ハッキリ言わせてもらえば、この年になると仕事はそんなにありません。私が生き証人です。 年金だけでは生活できないから、何でもいいから職を探しているけど、見つからない。だから短期のアルバイトで食いつないでいる。その上、年金の支給をもっと先送りする案があるなんて話が報じられているが、どうやって暮らしていけというのか。ふざけるなと言いたい」 高齢者たちは年々生活に重くのしかかってくる重税感そのものに不満を募らせ、やり場のない怒りのはけ口が「佐川長官」に向けられているのだ。関西でも取材した。所変われば、怒りの向け方も変わる。「税務署はやっぱり怖い。顔さらして佐川さんの文句をいうたらあかん。マークされて後で追徴取られたら大損や」 大阪の町工場の経営者は苦笑いして語ると、真顔になってこう続けた。「でもな、今年は税務署の方が大変。批判が強いやろうからあまりえげつない税務調査はできひんのとちゃうか」 実際、申告会場では「今年の税務調査は甘くなるらしい」という噂が飛び交っていた。大阪の税務相談会場(市民会館)で税務相談を担当するベテラン税理士がこう語る。「相談者の5人に1人が、『今年はどんな申告でもやり放題なんですか』と聞いてくる。調査で書類の不備があったことを指摘しても、『データが消えた』『領収証をなくした』と言い訳され、嫌味をいわれるのが見えているから、税務署が手加減すると思われているわけです。 しかも、今年から確定申告の際に医療費の領収証の提出が不要になりました。そのため、早速、『医療費の領収証をなくした。どうすればいいか』という相談も激増している。『領収証があってもなくても、実際に支払った金額を正直に申告をしてください』と答えるしかないのが現状です」“一揆”は確実に広がり、国の根幹をなすはずの「税」を巡る秩序は崩れ去りつつある。※週刊ポスト2018年3月9日号
2018.02.28 11:00
週刊ポスト
安倍首相「お友達人事」の明暗 日銀総裁人事と官僚論功行賞
安倍首相「お友達人事」の明暗 日銀総裁人事と官僚論功行賞
 今も昔も“お友達内閣”と揶揄されるように、仲の良い政治家やお気に入り官僚だけを重用するのが安倍政治のやり方だ。だが、このところの人事は安倍晋三首相の取り巻きで「守られる者」と、「捨てられる者」の明暗が分かれている。 その境目はどこにあるのか。2つの対照的な人事から浮かび上がってくる。◆日銀総裁人事の勝者と敗者 安倍首相にバッサリ切られたのが、次期日銀総裁の有力候補と目されていた本田悦朗・駐スイス大使。元財務官僚でアベノミクス立案の中心人物である。首相は経済ブレーンとしての能力を高く買い、日銀総裁人事までの“待機ポスト”含みで内閣官房参与からスイスに赴任させたとされる。本人もその気だった。「(総裁に)指名されればデフレ脱却に命を懸ける」 と海外メディアで発言し、デフレ脱却目標を達成できない黒田東彦・総裁について「なぜ続投できるのか」と批判していた。ところが、黒田総裁は続投を決め、本田氏は副総裁にも起用されなかった。「同じ財務官僚出身でも、黒田総裁は消費増税容認派なのに対して、本田氏は強硬な反対論者。安倍首相は昨年の総選挙で消費税引き上げを公約し、増税凍結路線を大転換したから、本田氏の存在が煙たくなった」(財務官僚) 梯子を外された本田氏は現在もスイスにいる。“待機ポスト”のはずが一瞬にして“島流し”になってしまったようだ。◆官僚論功行賞の明暗「納税者一揆」を起こされるなどした“時の人”佐川宣寿・国税庁長官と対照的なのが「10年に1人の大物次官」と呼ばれた斎木昭隆・元外務次官だ。 異例の3年間も次官を務めて安倍外交を支えた。同じく外務官僚の尚子夫人も首相と近く、都知事候補選びが難航したとき、安倍首相は「マダム斎木はどうか」と名前を挙げたこともある。それほどの信頼感もあるだけに、斎木氏は次官退任後に外務官僚の最高ポストである駐米大使に就任すると確実視されていた。 だが、今年1月の人事で駐米大使に就任したのは斎木氏の後任である杉山晋輔・前次官だった。元外務官僚の天木直人氏が指摘する。「斎木氏は日露交渉の方針で安倍首相と対立した。プーチンとの北方領土交渉の解決に前のめりになっていた安倍首相に対し、斎木氏は“労多くして益なし”と慎重論を唱えたことで逆鱗に触れたと言われる。それが駐米大使ポストを失う結果を招いたのではないか」 お気に入りだった本田氏と斎木氏は筋を通した末に“冷遇”され、首相と近かったわけではない佐川氏は官僚としての筋を曲げて忠誠を示して出世した。国民の批判を浴びてもなお、首相は佐川氏を「適材適所」と庇い続けている。※週刊ポスト2018年3月9日号
2018.02.27 16:00
週刊ポスト
納税者一揆デモ参加78歳女性「お肉はコマ切れしか買わない」
納税者一揆デモ参加78歳女性「お肉はコマ切れしか買わない」
 東京では「納税者一揆」のデモ隊が国税庁を確定申告開始日の2月16日に包囲し、「佐川を出せ!」と声を上げた。国民の怒りから逃げ回り、表に姿を現さない佐川宣寿・国税庁長官への憤りが渦巻いているのだ。だが、参加者たちの話を聞くと、怒りの矛先は、佐川氏という1人の官僚だけに向けられているのではない。「年金が毎年のように減っていくんですよ」 開口一番、そう訴えたのは78歳の女性だ。若い頃に夫に先立たれ、懸命に働いて2人の子供を育てた。いまは1人暮らしだという。「将来が不安で一生懸命働いて老後の資金を貯めました。でも安泰ではないから、お肉はこま切れしか買わない、それも2割引とか。佐川さん? 税金を取る役所の一番偉い人があんなことでいいのかとは思いますが、怒っても税金が安くなるわけではありません。私たちくらいの年齢では自分の生活を考えるだけで精一杯なんです。だから、せめて年金が減るのは何とかしてほしい」 自営業の66歳男性は「消費税」に怒りをぶつけた。「建築関係の仕事を始めて来年で30年になります。消費税が導入されたとき、個人事業主は売り上げが6000万円以下なら消費税を払わなくて良かった。それが3000万円に引き下げられ、いまは1000万円以上の売り上げがあれば8%取られる。売り上げ1000万円、粗利200万円なら16万も取られてしまう。これで生活できると思いますか?」※週刊ポスト2018年3月9日号
2018.02.27 07:00
週刊ポスト
佐川・国税庁長官の“逃亡生活ホテル”は役人特権で3割引き
佐川・国税庁長官の“逃亡生活ホテル”は役人特権で3割引き
「佐川を追え!」──霞が関では、国民の怒りから逃げ回る佐川宣寿・国税庁長官の“潜伏場所”を突き止めようとするメディア各社の取材班による追跡劇が連日展開された。 本誌・週刊ポストは佐川氏の乗った公用車を追跡し、ついに滞在ホテルを突き止めたことを2月19日発売号で報じた。そのホテルは、皇居の内堀に面した一等地に建つ「KKRホテル東京」であった。地上15階建てで下層階は政府全額出資の国際協力銀行の本部、上層階が客室になっている。 財務省所管の国家公務員共済組合連合会が経営し、公務員は一般料金の約3割引きという格安価格で宿泊できる。財務省の会議が開かれることも多く、同省御用達なのだから“セキュリティ”は万全だ。「我々が国会対応で帰宅できない時に利用するのは1泊8000円ほどのシングルだけど、長官が滞在するなら、部屋で打ち合わせができるようにスイートに泊まるんじゃないか」 若手官僚はそう語る。ちなみに、眼下に皇居の森を一望できるスイートルームは1泊約3万円。近隣の民間ホテルなら1泊10数万円するグレードだ。 佐川氏の国民からの“逃亡生活”は昨夏以来、半年近くになるとみられている。 その間のホテル代や食費などの費用は相当な金額になっているはずだ。一体、誰が払っているのか。国税庁長官のホテル暮らしが「公務」扱いで、領収証を役所に出して経費精算しているなら、国民の税金で賄われていることになる。当然、国税庁には領収証が保存されていなければならない。この記録まで「廃棄した」という言い逃れは通用しない。 国税庁にぶつけた。「ご質問についてはプライベートに関することとなりますのでお答えできません。また一般論で申し上げると、国税庁長官のプライベートの宿泊代については官費から出ません」(広報広聴室報道課) 仮に、佐川氏が宿泊費を自腹で払っているとしても、税金還付という“奥の手”がある。 国税庁長官の年収は約2030万円。公務員も民間サラリーマンも給料が2000万円を超えれば確定申告が義務づけられている。 佐川氏は3月15日までに自宅近くの世田谷税務署で申告することになると考えられるが、自己負担したホテル代や食費など滞在経費などの領収証を「私がマスコミの取材から避難したのは上司(総理)を守るため。職務上、必要な経費だ」と主張したら、税務署はどう対応するのか。都内に事務所を構える税理士がいう。「サラリーマンでも職務上必要な費用を自分で負担した場合、経費として認められる特定支出控除の制度がある。公務員にも適用されます。転勤ではない限りホテル代は難しいが、自宅に戻れないために購入したスーツなどの衣料費、他の人と食べた飲食費などの交際費は特定支出控除として認められる可能性がある」 逃亡生活の費用を「税金で還付」ということになれば、まさにブラックジョークではないか。※週刊ポスト2018年3月9日号
2018.02.26 07:00
週刊ポスト
「官邸のご意向」から進化、国会答弁中の官僚に「PMの指示」
「官邸のご意向」から進化、国会答弁中の官僚に「PMの指示」
 佐川宣寿・国税庁長官の罷免を求める署名が2万人に達し、霞が関の財務省本庁舎には“反佐川”のデモ隊が押しかけた。ところが、国民が怒れば怒るほど、官邸では佐川氏の評価がうなぎ登りだという。昨年の通常国会の答弁で、森友学園に国有地が格安で売却された問題をめぐり、「記録は速やかに廃棄した」との説明を堂々行ない、疑惑の拡大を食い止めたためだ。佐川氏はその功績もあってか国税庁長官に出世した。 そうした佐川礼賛ムードに拍車をかけているのが、国会答弁中の官僚に差し入れられる「PMの指示」と書かれた文書だ。「関係省庁の幹部がモリカケ問題の答弁で細かい手続きを説明すると、途中で“もっとはっきり否定せよ”といったメモが入る。そこには“PMの指示”と書かれていて、総理からダメ出しされているという意味だ。メモがくれば幹部は飛び上がって指示通りに答弁する」(某省の国会担当)「PM」とはPrime Minister(首相)の略で、モリカケ疑惑で「官邸のご意向」と書かれた文書が問題になったことから、官邸という言葉のかわりにPMという符牒が使われるようになったという。この実態を官僚から聞いたというノンフィクション作家の森功氏が指摘する。「官邸は疑惑を全否定した佐川長官の答弁を完璧だったと評価しているから、他の官僚が気に食わない答弁をすると、“佐川を見習え”という警告を込めてPMメモを出している」 これまで政権に疑惑が持ち上がると「忖度」という言葉が使われ、総理は指示していないのに官僚が勝手に推し量ってやったという印象が作られてきた。しかし、PMメモの存在は、いまや忖度ではなく、政権(政治家)が具体的な指示を出して官僚の答弁を自分たちの都合のいいように操っていることを示している。 深刻なのは、その結果、官邸の指示に唯々諾々と従うことで出世しようという“佐川現象”が広がり、権力者のために平気で国民を欺く第二、第三の佐川氏的官僚が増殖していくことだ。 その流れを作った佐川氏は現在“雲隠れ”状態だ。1週間毎朝自宅近くで待ち受けたが、ついに本人も公用車も姿を見せなかった。 そこで本誌・週刊ポストは国税庁から退庁する佐川氏にコメントを取るべく、2月14日に追跡した。すると、周囲を警戒して公用車に乗り込み、そのまま都内のホテルに消えていった。 その翌日、ホテルから出勤する際の佐川氏の警戒ぶりも尋常ではなかった。午前8時前に1台の公用車が、8時過ぎにもう1台公用車と思しき車がきた。佐川氏は一般客が使うエレベーターではなく、従業員用エレベーターから地下駐車場に降り、ホテルの正面に停まっていた車ではなく、地下に停めてあった公用車に乗り込んだ。“囮”を使ったのである。 その後も、わざわざ遠回りして国税庁に向かっていったのだ。権力者の下僕に徹すれば、国民の怒りなど怖くはなくなり、逃げ回っても恥と思わないということか。これではいずれ国民は誰も税金を払わなくなる。※週刊ポスト2018年3月2日号
2018.02.20 07:00
週刊ポスト
“納税者一揆”勃発も首相は「佐川君こそ官僚の鑑」と評価
“納税者一揆”勃発も首相は「佐川君こそ官僚の鑑」と評価
 今年の確定申告は異様なムードの中で始まった。佐川宣寿・国税庁長官の罷免を求める署名が2万人に達し、霞が関の財務省本庁舎には“反佐川”のデモ隊が押しかけた。政治家でもない「一官吏」に対して国民が大規模な抗議活動を起こしたのは前代未聞だ。ところが、国民が怒れば怒るほど、官邸では佐川氏の評価がうなぎ登りだという。一体、なぜなのか──。「佐川罷免要求」の声は日増しに大きくなり、このままでは国の税収を左右する確定申告の徴税事務への影響は避けられそうにない。 まさに、“納税者一揆“だ。だが、その標的となった佐川氏の風貌は「小役人」に見えこそすれ、“悪代官”には見えない。それが納税者の怒りを一身に受けるに至ったきっかけは、昨年の通常国会の答弁だった。 安倍首相夫妻の“お友達”が理事長を務めていた森友学園に国有地が格安で売却された問題をめぐって、「記録は速やかに廃棄した」と、“証拠隠滅”と受けとられても仕方がない説明を堂々と行ない、野党の追及を封じて疑惑の拡大を食い止めた。その功績で国税庁長官に出世した。 だが、今年に入って嘘がバレた。財務省と森友側との膨大な交渉記録が残っていたことが発覚し、野党は「虚偽答弁だ」と佐川氏の国会招致を要求、“ウソツキ佐川”と納税者の怒りに一気に火がついた。 国民の納税意識は、納めた税金が国民のために使われるという「国への信頼」に支えられている。佐川氏がやったことはその信頼を裏切る行為であり、だからこそ“こんな国税庁長官に税金が払えるか”という声が沸騰しているのだ。 問われているのは「国家の信頼」そのものだが、安倍首相は佐川氏を罷免するどころか、「佐川を守れ」と号令をかけた。自民党細田派の安倍側近議員が語る。「佐川長官はいわば総理の身代わりとなって批判を浴びながら、何一つ弁解しない。汚れ役になることを厭わず、自分の体面より政権を守ることを第一に考えている。総理も“佐川君こそ官僚の鑑”と高く買っており、官邸から自民党国対に『絶対に守れ』との指示が伝えられている」 霞が関の役人たちの間にも“佐川を見習え”という空気が広がっている。「おそらく佐川さんは後に問題になることは覚悟の上で、たとえ記録が残っていても、あえて『捨てた』と言い張った。あんな答弁はよほどの覚悟と胆力がなければできない」(経産官僚)※週刊ポスト2018年3月2日号
2018.02.19 16:00
週刊ポスト
雲隠れの佐川・国税庁長官を発見 まるで逃亡犯のような行動
雲隠れの佐川・国税庁長官を発見 まるで逃亡犯のような行動
 確定申告が始まった2月16日午後、東京・霞が関の国税庁の周辺では、佐川宣寿・長官の罷免を求める抗議デモが行なわれ、1000人を超える人が集まった。デモは全国各地の国税局や税務署周辺でも行なわれ、「一官吏」に対して国民がこれだけ大規模な抗議活動を起こしたのは前代未聞だ。  この日、当の本人は「税務署回り」という理由で国税庁を不在にしていた。  佐川長官といえば、昨年の通常国会で、安倍首相夫妻の“お友達”が理事長を務めていた森友学園に国有地が格安で売却された問題をめぐって、財務省理財局長として「記録は速やかに廃棄した」という“証拠隠滅答弁”を行なったことで、その名を知られた。今年に入って財務省と森友側との膨大な交渉記録が残っていたことが発覚し、 “佐川バッシング”が広がっている。  にもかかわらず、佐川長官は“雲隠れ”状態が続いていた。全国紙の経済部記者が言う。「長官を捕まえようと自宅を夜討ち朝駆けしているが、どこの社もつかまえられない」   遡ること2日──。バレンタインデーの夕方、東京・霞が関にある国税庁の建物から、一人の男性が出てきた。あたりをキョロキョロと見回すと、停めてあった公用車に飛び乗った。マスコミから“逃走中”の佐川長官、その人だった。 公用車に乗った佐川長官が向かったのは、都内のホテル。どうやら、ここを自宅がわりにしているようだ。 翌日、ホテルから登庁する様子は前日以上の警戒ぶりだった。午前7時45分に公用車が地下駐車場に入ると、ホテル従業員が10分おきに地下駐車場とホテル正面の車寄せの見回りを始めた。佐川長官は一般客用のエレベーターではなく、従業員用のエレベーターで地下駐車場に降り、車が出発したのは9時半だった。  佐川氏を乗せた公用車は霞が関とは別の方向に出発。普通なら10分もかからない距離を30分以上かけて遠回りして国税庁に入っていった。  その姿は徴税官というより指名手配の逃亡犯。確定申告シーズンが終わるまで逃げ回るつもりなのだろうか。
2018.02.17 07:00
NEWSポストセブン
暴言だらけの安倍政権 森友学園問題をめぐる4つの暴言
暴言だらけの安倍政権 森友学園問題をめぐる4つの暴言
 10月に行なわれた総選挙後に召集された特別国会(12月9日閉会)では、過去の政府答弁と食い違う森友学園問題の新事実が次々に明らかになった。 とくに国有地の大幅値引き問題で、会計検査院が「値引きの根拠が不十分」という報告書を公表すると、それまで「見積もりは適切」と答弁していた安倍晋三首相は窮地に立たされた。「丁寧に説明する」と約束した首相はどう語ったか。「財務省や国土交通省から適切と報告を受けていた。私が調べて、私が『適切』と申し上げたことはない」“オレが調べたわけではないから責任はない”というのだ。国会は「国権の最高機関」だ。総理の国会答弁は官僚が作るが、責任は総理自身にしか負うことはできない。それを役人に転嫁すれば国家の秩序は崩れていく。 その財務省にも火が燃え広がった。「財務省のシステムは即座にデータが抹消される仕様になっています」 そんな“迷答弁”で森友側との交渉記録廃棄を正当化し、国税庁長官に出世した佐川宣寿・前理財局長も新事実に足を掬われた。佐川氏は証拠が残っていないことをいいことに、通常国会では値下げ交渉について「価格を提示したこともないし、先方からいくらで買いたいと希望があったこともない」と全否定していた。 ところが、近畿財務局が森友側に「1億3000万円」などと伝えた音声データの存在が明るみになり、特別国会で虚偽答弁だと追及された。 国税庁長官就任以来、記者会見も開かず、国会の参考人招致にも応じない佐川氏に代わって後任の太田充・理財局長がこんな“珍答弁”を繰り出した。「金額のやりとりはあったが、価格の交渉はしていない」 上が上だから、下は平気でそう開き直る。国会での答弁が嫌で嫌でたまらない安倍首相は、ついに野党の質問時間を減らすという“禁じ手”に出た。先兵役を担ったのが萩生田光一・幹事長代行だ。「直近の民意を考えれば、野党に質問時間を譲っているのは国民の理解を得られない」 自民党は「与党2対野党8」の配分だった質問時間を、与党の議席数が多いことを根拠に「5対5」にするように野党に要求し、野党が猛反発して特別国会は冒頭から紛糾。せっかく39日間の会期があっても、審議が行なわれない日が続いた。萩生田発言の狙いはそこにあったようだ。「野党が抵抗すればするほど、国会の会期が消化され、審議時間が減っていくから好都合だった」 自民党国対筋は、陰でそう笑っていたのである。※週刊ポスト2018年1月1・5日号
2017.12.22 16:00
週刊ポスト
佐川長官は記録を破棄したよね?と言われたら国税庁どうする?
佐川長官は記録を破棄したよね?と言われたら国税庁どうする?
〈仕事がやりにくくなるので、早く辞めてくださるようにお願いします〉──国税庁長官の罷免を求める署名1万706筆のなかには、現役税務署職員によるそんな恨み言もあったという。集められた署名は、8月21日に財務省に提出された。矛先を向けられた国税庁長官は、前・財務省理財局長の佐川宣寿氏だ。 森友学園の国有地払い下げ問題を巡り、国会で「記憶に残っていない」「記録は破棄した」と繰り返した結果、7月5日付で国税庁長官に“栄転”。露骨な論功行賞でよほどバツが悪いのか、佐川氏は長官就任会見すら開いていない。「よりによって、国会答弁で行政の信頼を失墜させた人物が、最も国民の信頼を要するポストである国税庁のトップに就いたのですから、ブラックジョークとしかいいようがない」 そう怒りを込めるのは、署名を提出した市民グループを取りまとめる醍醐聰・東京大学名誉教授だ。 森友問題で財務省は、国有地払い下げ交渉の記録を売買契約が成立した時点で廃棄したとしていた。醍醐氏らは、将来変更する可能性がある条件がついているにもかかわらず、契約成立をもって事案終了として交渉記録を廃棄したのは公文書管理法に違反するとして、佐川氏の罷免を求めている。醍醐氏が続ける。「私の専門である会計学の観点から見ても、森友問題の経緯はありえないものだった。国会で『記録がない』答弁を連発した人が国税庁のトップでは、納税者に『支払いの書類は捨てました。でも実際に支払いはありました。認めてください』と主張されたらどうするのか。今回、現役の税務署職員と名乗って署名したのは1人でしたが、現役職員と思われる方から、『すでに納税者からの反発があり、仕事がやりにくい』というメッセージもありました」 時は9月、税務調査が盛んになる時期でもある。実際に納税者から佐川長官の過去の発言を理由に抗弁されたらどうするのか。 国税庁に尋ねたところ、「納税者には、法令にのっとり、帳簿書類の保存を行なっていただくことになります。いずれにせよ、適切、公平な課税の実現のために、引き続き法令にのっとり、適正に対応してまいりたい」(報道係)と回答。佐川長官の会見予定はないという。 佐川氏と違って、窓口で一人ひとりの納税者と向き合わなければならない現場の税務署職員にとっては、つらい秋になりそうだ。※週刊ポスト2017年9月22日号
2017.09.14 07:00
週刊ポスト
加計答弁 エリート官僚たちの“記憶喪失”に医師の所見は
加計答弁 エリート官僚たちの“記憶喪失”に医師の所見は
 7月24~25日に行なわれた10時間に及んだ閉会中審査は、安倍政権にとって加計学園疑惑を晴らすどころか、疑念をさらに深める結果となった。その“戦犯”は、重要な局面になると「記憶にない」という答弁を連発したエリート官僚たちだ。 参考人招致された和泉洋人・首相補佐官(64)は、疑惑解明の鍵を握るとして注目された。前川喜平・前文部科学次官(62)に対して「総理は自分の口からは言えないから、代わって私が言う」と開学手続きを急ぐよう迫った発言について問われると、奇妙な“三段論法”を展開した。「こんな極端な話をすれば、私も記憶が残っております。そういった記憶は全く残っておりません。したがって言っておりません」 昨年9月に前川氏と面会した事実は認めながら、会話内容の一部だけ記憶がないという。 柳瀬唯夫・経済産業審議官(56)も珍妙な答弁を連発した。首相秘書官在任中の2015年4月に、上京した愛媛県今治市の職員と首相官邸で面会したのかを問われると、「記憶を辿る限り今治市の方とお会いしたことはない」と答弁。「事実として否定したということか」と問い詰められると、「事実として、私の記憶のある限りはお会いしていない」と留保条件だらけの回答をした。 エリート官僚たちの記憶力は、それほど頼りないものなのか。とくに柳瀬氏は質問に立った民進党・桜井充氏と「7~8年前に会食でご一緒した」という“記憶”は残っているというから不思議でならない。認知症に詳しい医師で作家の米山公啓氏は、こう推察する。「記憶の中心的な役割を担うのは脳の海馬です。海馬の神経細胞は加齢によって減りますが、極端なストレスでも萎縮することがあります。官僚の方のように激務をこなしているとストレスが溜まるし、睡眠不足や運動不足になりやすい。海馬の機能の低下から、最近の記憶も維持できない可能性はあります」 米山氏は、記憶の仕組みに備わっている「抑制」の働きにも着目する。「人は思い出したくない事柄を無意識のうちに忘れようとする。2人とも無意識に脳に抑制が働いて“記憶にない”という答弁になっているのかもしれません」 もっとも、森友問題で「国有地売却の交渉記録は破棄した」と言い続けた財務省の佐川宣寿・理財局長が、この7月に国税庁長官に出世したという“記憶”だけは、明確にあったのかもしれない。 柳瀬氏は「今回の“功績”で経産次官の目が出てきた」ともいわれるが、これほど記憶力が不安な人物が原発行政のトップに立つと考えたら空恐ろしい。※週刊ポスト2017年8月11日号
2017.08.02 07:00
週刊ポスト
前川喜平氏招致、首相守れば「ご意向官僚」に出世の道も
前川喜平氏招致、首相守れば「ご意向官僚」に出世の道も
 漢字研究の泰斗、白川静博士によると、「政(まつりごと)」という字は〈敵を力で征服し、木の枝の鞭で叩いて徴税する〉の意味であり、「民」の字は〈征服されて瞳を突き刺され、ものが見えなくされた人〉を表わしている。力で民の目を塞ぎ、物事の理非曲直をわからなくして収奪するのが古代国家の為政者の政治だった。 その「民」が「政」に対抗する力を得た時、世界の歴史に民主主義が生まれた。翻って現在の日本の政治はどうか。「大変厳しい都民の審判が下された。わが党への厳しい叱咤と深刻に受け止め、深く反省しなければならない」 安倍晋三・首相は東京都議選の大敗を受けて「反省」の言葉を口にした。自民党も「国会の閉会中審査に応じざるを得ない。首相もそのつもりだ」(竹下亘・国対委員長)と森友・加計疑惑の解明に前向きな姿勢に転じたように見えた。 しかし、いずれも舌先だけで、本心では有権者の声に耳を傾ける気など全くない。その後に取った行動が言葉と正反対なのだ。 安倍内閣は反省発言の翌日(7月4日)、疑惑隠しの露骨な論功行賞人事を閣議決定した。森友問題で「国有地売却の交渉記録は廃棄した」と言い続けた財務省の佐川宣寿・理財局長を国税庁長官に出世させた一方、文科省文書に加計学園の獣医学部認可は「総理のご意向」と発言したとされる藤原豊・内閣府審議官を出身の経産省の「官房付」という“待機ポスト”にとどめた。 そのうえで自民党はわざわざ安倍首相が欧州歴訪中の7月10日に前川喜平・前文部科学事務次官の参考人招致(国会閉会中審査)をセットしたのである。 参考人質疑で役所が首相を守り通せば藤原氏に“出世”の道が拓けるが、下手な答弁をすれば左遷の可能性もある。当の安倍首相は海外に逃げて役人が“忠誠”を尽くすのを高みの見物を決め込む──。「閉会中審査でガス抜きをした後、内閣改造で稲田朋美・防衛相ら問題閣僚を交代させ、『もり・かけ問題』を幕引きさせる」(官邸筋) それが官邸のシナリオだ。国民に「真摯に説明責任を果たす」ことなど露ほども考えていないことがわかる。※週刊ポスト2017年7月21・28日号
2017.07.10 07:00
週刊ポスト
金田法相の清々しい珍言「私の頭脳では対応できません…」
金田法相の清々しい珍言「私の頭脳では対応できません…」
 これほど問題発言が飛び交った国会を「文書」として残さないなんてもったいない。国民を見事なまでにバカにした今国会中の暴言・妄言の数々から、大賞を決定したい。 森友学園問題で、籠池泰典・前理事長との親密な関係を追及された稲田朋美・防衛相。これまで「森友学園側の顧問弁護士だったことは一切ない」と繰り返し答弁してきたが、森友学園が2004年に起こした民事訴訟の原告代理人としての出廷記録が発見されると一転、「私の記憶違いだと思う」 ちなみにその後、シンガポールで開かれた「アジア安全保障会議」で、オーストラリアとフランスの国防担当大臣と並んで演説。「見たら分かるように、(私たち3人には)共通点がある。同じ性別で、同じ世代で、一番大切なのは全員がグッドルッキング(美人)」 こちらも記憶違いではない、ですよね? その他の大臣たちも問題発言を連発。山本幸三・地方創生相は滋賀県で開かれたセミナーで、「(観光振興の障害になっている)一番のがんは文化学芸員と言われる人たちだ。一掃しなければならない」と発言して大炎上。加計問題で矢面に立っている山本氏だけに、内閣改造で一掃されるか。 金田勝年・法相の“素直さ”はすがすがしいほどだった。2月の衆院予算委で野党から共謀罪の内容について追及を受けると、「ちょっと、私の頭脳というんでしょうか、対応できなくて申し訳ありません」ときっぱり。さらに野党議員から、共謀罪の対象が一般国民に及ばないことを確認するため、テロ準備行為の下見と花見の違いを問われると、「花見であればビールや弁当を持っているのに対して、下見であれば地図や双眼鏡、メモ帳などを持っている」 そんなわかりやすい格好で下見に行くテロリストがいるのか……ちょっと頭脳が対応できず申し訳ない。 暴言は何も政治家だけではなかった。森友問題では財務省の佐川宣寿・理財局長の発言も話題に。同学園への国有地払い下げの交渉過程を明らかにするよう求められた佐川氏はこう強弁。「財務省のシステムは即座にデータが抹消される仕様になっています」 さらに「復元もできない」と付け加えたが、後に、職員の手作業で削除されているだけで復元も可能なことが明らかになった。もちろん、今国会での彼の発言は抹消される仕様になっていない。 野党だって黙ってない。丸山穂高議員(日本維新の会)は「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が可決された5月19日の委員会でこう断言。「これまで30時間以上も質疑した。私の質疑後、直ちに採決を」※週刊ポスト2017年7月7日号
2017.06.29 16:00
週刊ポスト

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