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大新聞がスルーした「小沢起訴」審査員の平均年齢改ざん疑惑

 検察審査会が小沢一郎・民主党元代表を「起訴相当」とした議決については数々の疑惑がある。週刊ポスト10月22日号では、審査員の平均年齢が30.9歳になる確率は「10万分の5」であると指摘し、大きな反響を呼んだ。

 ところが、検審事務局は、10月4日の議決公表から8日後、審査員の平均年齢を当初発表の30.9歳から33.91歳に訂正した。

 当初からこの数字は明らかに奇妙で、本誌では平均年齢が30.9歳以下になる(すなわち有権者全体の平均年齢からそれほど大きくかけ離れる)確率は「10万分の5」であると指摘した。しかし、大メディアは「くじで偶然選ばれた11人の平均年齢は30.9歳と、比較的若い顔ぶれとなった」(10月5日付朝日夕刊)など、不自然な点はないと印象づける。

 訂正発表自体もおかしい。「37歳の人の年齢を足し忘れた」そうだが、ならば平均は「34.3歳」でなければいけない。これだと1回目の議決メンバーと全く同じになる。本当に入れ替えされたのか疑問が湧く。だから数字をいじったのか。

 また、たとえ「33.9歳以下」だとしても、やはり確率は「0.05%」という“奇跡”である。これを「おかしい」と気付かない(?)大メディアは情けない限りだ。

 さらに翌13日、「33.9歳とは就任時の平均年齢であり、議決時点の年齢は34.55歳だった」と、再訂正したが、語るに落ちるとはこのことだ。論点は、“くじ引き”時点でそんな低い年齢になるはずがないという確率論であり、議決時の年齢で「若すぎない」と印象づけても無駄だ。こんな工作をすればするほど、“くじのウソ”がバレる。

 しかも、再訂正で平均年齢は「0.64歳」上方修正されたが、11人のメンバーは半分が5月、残り半分が8月に就任しており、就任から「4か月」と「1か月」しか経っていない。1か月で半年分も歳を取る宇宙人でもいたのだろうか。アインシュタインもびっくりの“奇跡のイレブン”である。

※週刊ポスト2010年10月29日号

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