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小沢氏批判の仙谷官房長官 総会屋資金を子分に配っていた

 小沢一郎・民主党元代表の政治資金をめぐる問題で揺れ続ける菅政権。しかし政権の要である仙谷官房長官と岡田幹事長の政治資金にも疑惑はある。

 仙谷氏は資金管理団体『制度改革フォーラム』など5つの政治団体を持ち、総額約8300万円という閣僚5位の資金力を誇る。2009年の総選挙前には、そのうち『21世紀改革研究会』という“資金配分団体”を通じて11人の議員に240万円を配っていた。

 その原資が問題だ。政治団体の一つ『仙谷由人全国後援会』は、2009年5月に逮捕された「最後の大物総会屋」と呼ばれた総会屋グループ元代表や、業務停止処分を受けた先物取引会社などからも献金を受けている。

 資金の流れを辿ると、「総会屋献金」が入った全国後援会から『21世紀改革研究会』に資金が移され、子分たちに配られたという構図がある。仙谷氏は、小沢氏が2009年の総選挙で91人の民主党候補に約500万円ずつ、総額4億4900万円の選挙資金を寄付し、88人を当選させたことに触れて、こんな指摘をしている。

「非常に力のある政治家が若い人を育てようと資金援助するのは、昔、いろいろ聞かされていた情景かなと思う」

 しかし、仙谷氏こそ「昔、聞かされていた情景」そのものを自ら実行しているのではないか。
 
 政治資金報告書から“隠された”カネもあった。前原外務大臣のグループ凌雲会に所属する小川淳也氏は、2009年の総選挙前に仙谷氏から20万円の寄付を受けたと報告したのに、仙谷氏側の報告書にはその支出がない。仙谷事務所にぶつけると、担当者は戸惑った様子だった。

「先方とお会いした際に、本人がポケットマネーで出したものでしょう」

 政治資金規正法の趣旨からいえば、政治家が選挙の陣中見舞いなどを出す場合、政治団体間の寄付として資金の出入りを双方が報告し、渡す側もその資金をどうやって得たかを明らかにしなければならない。

 しかし、個人献金の形にすれば資金の原資はわからないし、もらった側も報告しなければ表に出ない「裏ガネ」になる。若手議員は「選挙では報告しにくい費用がかかる。つかみ金(裏ガネ)をもらえるなら有り難い」と本音を語る。

 仙谷氏が寄付を「個人献金」と説明するのは、最初はつかみ金のつもりだったが、小川氏が正直に報告してしまったという“アクシデント”があったからではないか。その疑惑を問うと、仙谷事務所は「個人の収入だから、どう使おうと自由でしょう」と答えた。

※週刊ポスト2010年12月24日号

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