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斎藤佑樹 今の速球ではプロとして多くは期待できぬとの指摘

斎藤佑樹とダルビッシュ有

 球場内外の一挙手一投足が注目される北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹投手。はたしてプロとして本当に活躍できるのか? スポーツライターの永谷脩氏が解説する。

 * * *
 開幕前のヒーローで終わるのか、球界を変える大スターになるのか。その実力となると、スピード不足を指摘する声が多い。ただ、早実時代に、一球だけでも150キロを投げられたのであれば、鍛え方によっては、速くなる可能性があると、多くの専門家は指摘する。

 荒木大輔、松坂大輔、ダルビッシュ有など、かつて甲子園を沸かせた投手たちは、スライダーを上手に使って、投球を組み立てる術を知っている。しかし、格下の打者なら簡単に打ち取ることはできても、何年もプロで実績を残している相手となると、術だけではかわし切れないものがある。

 入団時、自らを“変化球投手”と語っていた松坂もダルビッシュも、投げ込みと走り込みにより、速球派の仲間入りをして勝ち星が上がってきた。その域に達しなかった荒木は、今ひとつ勝ち星が上がらなかったのだ。

 斎藤は自らのピッチングスタイルを“技巧派にはなりたくない。真っ直ぐで、空振りの取れる投手が目標”と語っている。だが、その速球も今のままではと首を傾げるOBたちも多い。

「まだ結果が出ていない段階では、多くの評論家は悪くはいわないが、球のキレが良いとか球威の話はあまりせず、ボールが低めに来ているとかいってお茶を濁している」(日ハム担当記者)

 どこかで集中的な投げ込み、走り込みをしない限り、多くは期待できないかもしれない。松坂だって、キャンプ-オープン戦で打たれ、最後の最後、横浜戦で好投し、一軍の切符を手に入れ、公式戦に入って別人になった。本番になれば、ガラリと変わる投球術があるだけに早計に判断できないが、プロのパワーに対して、本人も試行錯誤の真っただ中なのは確かだ。

撮影■藤岡雅樹

※週刊ポスト2011年2月25日号

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