ライフ

阪神球団の真弓監督斬り 厳しいやり口が妻と離婚時の参考に

大人力コラムニスト・石原壮一郎氏の「ニュースから学ぶ大人力」、今回は阪神・真弓監督の条件付きクビ通告から、「こじれない大人の別れの告げ方」を学びます。

 * * *
 阪神の真弓監督が、崖っぷちに追い込まれています。ついこのあいだまで、坂井オーナーは「来年も続投」と言っていました。しかし、巨人に2戦連続でサヨナラ負けしてクライマックスシリーズへの自力進出の可能性が消滅した10月12日、3位以内か勝率5割以上を達成できなかった場合は「解任」とする方針であることが明らかになりました。

 クライマックスシリーズに進める3位以内に入るには、巨人が残り試合を2勝2敗でも、10勝1敗という奇跡的な成績を残す必要があります。万が一、クライマックスシリーズに進出したところで、球団も本人も素直に「じゃあ、来年も」という雰囲気にはならないでしょう。実質的には、すでにクビを通告されたも同然です。

 半端に条件を付けて結論を引き延ばしているのは、温情なんかではなく、どう見ても球団側の姑息な言い訳に過ぎません。大人としては、その姑息さに着目したいところ。真弓監督の解任騒動から、ずっと別れたいと思っていた奥さんや彼女に対して、少しでもコトを荒立てずに別れを告げるコツを学んでしまいましょう。

 いきなり「もう別れよう」と言ったら、相手を無駄に刺激するだけ。逆上されたり意地になられたりなど、きっと面倒な展開になります。そこで参考にしたいのが、阪神球団のやり口。まずは、家事の手抜きやカードによる借金や、あるいは急激な体重の増加など、相手にとって「そこを突かれると痛い」という点に狙いを定めます。

 その上で、「もう我慢の限界だ。しかし、反省して自分を変える気があるというなら話は別である。たとえば、1ヵ月後までに5キロ痩せられなかったら別れるというのはどうか?」といった提案をしてみましょう。「これから1ヵ月、毎日ちゃんとした夕食を作れなかったら」「この1ヵ月で借金をきれいにできなかったら」でもかまいません。

 いずれにせよ、まず実行不可能な条件を突きつけることがポイント。ダメだとなった時点で「期待してたんだけど、残念だ」と言えば、別れることになった責任を何となく向こうに押し付けることができます。

 そもそも、条件を突きつけている時点で「もういっしょにやっていく気はない」と言っているも同然なので、相手のモチベーションが上がるわけもなく、区切った期限を待たずに「じゃあ、別れてやるわよ」となる可能性も大。その場合も、最後の決断という大仕事を相手に担ってもらえます。

 ちょっと胸が痛みそうですが、天下の人気球団が平気で同じようなことをやっていると思えば、少しは気が楽になるはず。ついでに、すでに水面下で次の監督候補を探している阪神にならって、提案と同時に水面下で次を探してみるのも一興です。そう簡単には見つからないでしょうけど、阪神のような人気モノになれた気分は味わえるかもしれません。

関連キーワード

トピックス

単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
大の里の調子がイマイチ上がってこない(時事通信フォト)
《史上最速綱取りに挑む大関・大の里》序盤の難敵は“同じミレニアム世代”の叩き上げ3世力士・王鵬「大の里へのライバル心は半端ではない」の声
週刊ポスト
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎ストーカー殺人事件》「テーブルに10万円置いていきます」白井秀征容疑者を育んだ“いびつな親子関係”と目撃された“異様な執着心”「バイト先の男性客にもヤキモチ」
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《田中圭との不倫疑惑》永野芽郁のCMが「JCB」公式サイトから姿を消した! スポンサーが懸念する“信頼性への影響”
NEWSポストセブン
騒然とする改札付近と逮捕された戸田佳孝容疑者(時事通信)
《凄惨な現場写真》「電車ドア前から階段まで血溜まりが…」「ホームには中華包丁」東大前切り付け事件の“緊迫の現場”を目撃者が証言
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
食物繊維を生かし、健全な腸内環境を保つためには、“とある菌”の存在が必要不可欠であることが明らかになった──
アボカド、ゴボウ、キウイと「◯◯」 “腸活博士”に話を聞いた記者がどっさり買い込んだ理由は…?《食物繊維摂取基準が上がった深いワケ》
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
NEWSポストセブン