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「長男長女は頭いい」「2番目は社会性高い」に根拠あるのか

「長男・長女は頭がいい」「2番目の子はしっかりしている」などといわれるが、実際にはどうなのだろうか。フジテレビ系のバラエティー番組『ホンマでっか!?TV』でもお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が、子供の生まれ順と知能や性格との関係について説明する。以下は澤口氏の解説だ。

 * * *
 世間ではよく、「長男・長女は頭がいいけれど、おっとりしている」とか、「2番目の子は社会性が高くてしっかりしている」などといわれます。このように、子供の生まれ順が知能や性格と関係していると思っているかたが多いのではないでしょうか。

 40年も前の1973年、アメリカの著名な学術誌『Science』(サイエンス)に、「生まれ順によって知能指数=IQが異なり、第1子のIQがもっとも高く、第2子、第3子の順で下がる」という論文が掲載されました。

 これが「生まれ順効果」と呼ばれて、一般にも広まったため、冒頭のようなイメージを持っているかたが現在でも多いのだと思います。ところが、研究を重ねた結果、知能や性格は、遺伝による影響が大きいことがわかり、「生まれ順効果」は、現在ではほぼ否定されています。実際、生まれ順による知能や性格の差は、ほとんどありません。

 では、ひとりっ子と、きょうだいのいる子供との比較ではどうでしょうか。

 実は、ひとりっ子のIQや学業成績が、きょうだいのいる子供よりも高いというデータが存在します。しかしこれは、ひとりっ子かそうでないかという、子供が置かれた環境に起因するものではなく、親から受け継いだ能力の差異、つまり遺伝要因によるものとみなせます。というのも、「IQや学歴が高い親ほど、ひとりっ子を好む傾向がある」という研究結果があるからです。

 また、もうひとつのポイントは、「リソース(時間や注意)の配分」です。ひとりっ子の場合、親のリソースがより多く注がれる傾向にあるため、IQや学業成績が高くなるというものです。第1子に関しても同様で、長男・長女に親は多くのリソースを使っているのです。

 つまり、子供間における学力やIQの差には、「ひとりっ子効果」や「生まれ順効果」の影響はないか、あってもごくわずかで、他の要因、特に遺伝要因とリソース配分が主に影響を与えているのです。

※女性セブン2012年3月22日号

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