国際情報

勝谷誠彦 「八百長資本主義」の中国に迫りつつある経済破綻

『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子…など、様々なジャンルで活躍する論客が、毎号書き下ろしで時事批評を展開する。本サイトでは4月20日に配信された12号よりから「勝谷誠彦の今週のオピニオン」を公開する。

 * * *
 中国は外交での失態である「外患」に加え、大きな「内憂」も抱えることになった。言うまでもなく重慶市のトップであり、「次の次の指導者」をうかがう地位にあった薄煕来の不祥事だ。妻の谷開来はイギリス人の知人の殺害容疑で取り調べられている。(薄煕来は3月16日に重慶市市委書記職を解任)

 共産党中央に近いメディアでは薄本人が死刑になるのではないかということまで書き始めた。言うまでもなく、中国のメディアは党の中央宣伝部のコントロール下にある。これほどの要人の運命について迂闊なことは書けるわけがなく、指導部の方針がそちらに向かっていると考えざるを得ない。

 薄煕来は革命歌を歌う運動を推進するなど、復古派だった。「国家資本主義」の道を爆走する現指導部とは相いれず、利権を手離したがらない軍に近かった。改革開放派と共産主義護持派のせめぎ合いが、とうとう要人の粛清にまで及んだわけで、かなり深刻な事態と言っていい。そしてこうした「内憂」による国家の体力の低下が、各国の攻勢という「外患」を呼び込んでいると見ていいだろう。

 しかし、実のところ中国の指導部がもっとも怯えている「内憂」はまだ起きていないのである。不動産バブルの破裂にともなう、経済の破綻だ。

 自由主義諸国と違い「八百長資本主義」を押し進めている中国では、権力抗争はそのまま経済の動揺に直結するのである。

※メルマガNEWSポストセブン12号

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン