国内

「維新の会が政権を取ったら…」森永卓郎氏が日本経済を予測

『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子…など、様々なジャンルで活躍する論客が、毎号書き下ろしで時事批評を発信する。9月21日配信の32号では、経済評論家の森永卓郎氏が登場。橋下徹・大阪市長率いる日本維新の会がもし政権を取ったら、日本経済はどうなるのか…? 森永氏が予測する。

 * * *
 仮に日本維新の会が政権を取ったとしたら、日本がどのように変わるのかということは、意外に論じられていない。そこで、今回は日本維新の会が掲げる「維新八策」をもとに、経済面を中心に一体何が起きるのかを考えていこう。

 維新八策の理念は、明確だ。一言でいえば、市場競争主義だ。ものごとは市場競争で決める。競争に参加することのできない“真の弱者”は守るが、敗者は守らない。負けたのは、努力が足りなかったからで、自己責任ということになる。

 維新八策の記述をみよう。「競争力を重視する自由経済」、「産業の淘汰を真正面から受け止める産業構造の転換」、「イノベーション促進のための徹底した規制改革」。こうした表現だけからでも、徹底した市場競争を経済に持ち込もうとしているということが、お分かりいただけよう。その一つの帰結が、「TPP参加、FTA拡大」なのだ。

 TPPについては、ここでは詳しく論じないが、関税撤廃ということになれば、日本の製造業には数%生産増の効果があるが、農業は壊滅的な打撃を受ける。米の生産が9割減、畜産が75%減など、農業生産の3分の2が失われ、食糧自給率は現在の40%から14%に下がるというのが農水省の推計だ。しかし、維新は、それでよしとする考えのようだ。「産業の淘汰を真正面から受け止める産業構造の転換」を目指すのだから、価格競争に勝ち残れない者は、市場から退出すべきなのだ。

 これだけでも極端な弱肉強食社会になるのだが、維新八策は、もっとすごいところを目指している。「グローバル化する知識経済に適応できる産業構造への転換」をすることで、「為替レートに左右されない産業構造」を実現しようと言うのだ。「貿易収支の黒字重視一辺倒から所得収支、サービス収支の黒字化重視戦略」という産業戦略なのだ。

※メルマガNEWSポストセブン32号

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン