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米大手三つ巴のタブレット端末 日本メーカーどう対応するか

 スマートフォンの登場によって、ケータイでネットを楽しむ人が急増している。しかし、あの小さい画面をタッチ操作するのは面倒なもの。そんな人々の救世主になっているのが大画面でネットや動画などを楽しめるタブレット端末。老眼でも、年季の入った太い指でも使いやすいと高齢者にも人気だ。

「ノートPCよりも値段が手頃。キーボード入力に抵抗感があっても、親しみのあるタッチ操作で使えますから、タブレットは年配の方にも支持されましたね。PCやスマホに比べ、文字が大きく見やすい点も魅力です」(ITジャーナリスト・石川温氏)

 進化を遂げるタブレットに、自宅のPCを使わなくなったという人も増えている。

 そして、この新しい流れを作ったのが、いわずもがなの「iPad」だろう。2010年4月に米国発売を開始以来、全世界での累計販売台数は1億台を突破。ウェブ接続に利用されるタブレットの91%を占めるというまさに怪物だ。11月2日に投入された小型版「iPad mini」も好評で、向かうところ敵なしの独壇場となると目されている。

 ところがここにきてグーグルと、アマゾン・ドット・コムが「iPad mini」の対抗機となる片手で持てる7インチのタブレットを発表。アップルの牙城を本気で切り崩しにかかってきた。

「グーグルの『Nexus7』は価格と性能のバランスがとれていますし、アマゾンの『Kindle Fire HD』は値段の安さで圧倒的なアドバンテージがあります。ただ、まわりの人が使っている安心感やサービスのよさ、さらに軽くて片手で扱える利便性で見ると、中高年には『iPad mini』が一番使いやすいと感じますね」(石川氏)

 このアップル、グーグル、アマゾンの三つ巴の戦いを横目に、蚊帳の外に追い出された感が強いのが国内メーカーのタブレットだが、その評価はどうだろう。

「海外勢に対して値段が高いのがネックですが、防水やワンセグといった日本人好みの機能を搭載した機種が豊富な点は強み。お風呂で使いたい、テレビが見たいなど、目的がはっきりしている方は国内メーカーもありですね」(石川氏)

 世界的に見れば、ここでもアメリカ勢に押され気味な日本メーカー。とにもかくにも国内外でタブレットはまさに旬。通勤電車で若者がスマホを使うのを怪訝そうに見ていたお父さん世代がタブレットを使いこなす、そんな日も近い。

※週刊ポスト2012年11月16日号

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