芸能

吉田豪×宍戸錠 外国人女優と新宿のラブホに「おなりー!」

 1331人斬りのこの男は妻子がいてもお構いなし。目の前の女性がタイプなら直球勝負。それが言葉の通じない相手でも──。宍戸錠氏(78)が、ブロードウェイ女優と新宿で過ごした夜を語った。『メルマガNEWSポストセブンVol.39』に掲載されたプロインタビュアー吉田豪氏による珠玉のインタビューから一部を公開する。

 * * *

宍戸:俺の中学時代からの友人で金森馨っていう、劇団四季の舞台装飾やっているヤツがいるんですよ。その金森といえば、数十年前『ウエストサイドストーリー』なんていうのが最初に来日したとき、ヤツが美術をやっていて、俺に電話をかけてきた。あれに出てる女の子たちが畳の上でご飯を食べたいって言うんですよ。それで金森から「おまえんちに畳はある?」って言われて、そのころは目黒の150坪ぐらいの古い一軒家に住んでたから「畳はあるよ」って言ったら、どうしても畳の上でご飯を食べる日本人の姿が忘れられなくて、あれを実際にやりたいっていう女が三人いたんだよ。

──で、その三人が家に来たんですか?

宍戸:うん。俺もそのころカミさんと子どもも一人ぐらいいたのかな? 「いいよ、来いよ」って。カミさんに言ったら、「じゃあ、鍋を囲むの?」って「それは違うんだよ。鍋を囲むっていうんじゃなくて、座布団を敷いてお膳を出してやるんだ」って。そしたら、その彼女たちが感激しちゃってね、「日本の料理って、こんなに美味いんだ」って。「当たり前だ。俺んちはハンバーガー売らねえから」って言いながら、腹ん中で、こいつはイケるなとか考えてね。

──家に呼んで、そこに奥さんがいるのに(笑)。

宍戸:それで「じゃあ違う畳を教えてやるよ」「食べる以外にも畳が必要なんだ」って(笑)。「日本はこういうラブホテルっていうのがあるんだよ。そこではセックスもしなきゃいけねえんだぞ」って、最初から言ってますから、僕は。そしたら「じゃあ私行くわ、したい」って。

──したい(笑)。

宍戸:それで行って。そしたらその女の子が俺にピストル型のライターをくれたんだよ。「なんで俺の商売を知ってるんだよ? ガンマンだって」と。これもビックリしたね。それで時計を買ってやって。あのときはどこに行ったんだろうな。あれだ。新宿の新宿通りを伊勢丹からこう来て、ホテルの中に入ると「おなりー!」って太鼓を叩いて歓迎してくれるラブホテルがあったんだよ。

──そんな和風の店があったんですか!

宍戸:うん。それが一時流行ったんだよ。

──そんなに歓迎されても入りづらいですよ。

宍戸:いやいや、あれはワクワクするよ、意外に。なにしろ、「ドーン、おなりー!」って。「すげえだろ、これが昔の、まず、うちに入ってきたことを、ありがとうっていうことなんだよ」と教えてやったんだ。

──通訳してあげたわけですね。

宍戸:いや、英語なんか、俺できねえから。

──ダハハハハ! できないけど口説ける。

宍戸:うん、口説ける(キッパリ)。それは11月30日に出る俺の本『シシド 完結編』を読むとよくわかる、完璧によく書いてあるから。

──その話が続編に登場するんですね。

宍戸:ええ。それは読んでください。

<※この続きは11月15日木曜に掲載予定>

<宍戸錠氏プロフィール>
ししど・じょう。1933年大阪府生まれ。1954年、日活ニューフェイス第一期生としてトップ合格し、翌55年に『警察日記』でデビュー。タフでハードボイルドな「エースのジョー」として人気を得て、石原裕次郎、小林旭らとともに日活のスターとなる。『拳銃は俺のパスポート』など300本以上の映画に出演してきた。その役者人生を綴った自伝的小説の完結編『シシド 完結編~小説・日活撮影所百周年記念』(角川書店)は11月30日発売予定

※メルマガNEWSポストセブンVol.39

関連キーワード

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン