国内

韓国の大統領選より低い総選挙の投票率 勝谷誠彦氏が分析

 普段自分自身について多くを語らない勝谷誠彦氏が、冒頭で珍しく自分について語りだす。しかし、これは私論で終わらない。過去最低を記録した先の総選挙の投票率と自分自身を知るということは無関係ではないのである。本日から『メルマガNEWSポストセブンVol.46』に掲載された同氏のコラムを3回に分けて全文掲載する。

 * * *

 私の携帯電話は週に2度もならない。それもマネジャーからだ。携帯のメールは一度も使ったことがない。毎朝発行している有料配信メール『勝谷誠彦の××な日々。』を書くために3時4時からウェブで世界中に情報をとりにいくが、それは「交信」ではない。つまり私は人間関係においては、まことに孤独である。ひとり都心の自宅で買ってきた惣菜で本を読みながら酒を呑み、眠るほどの果報は私は知らない。時には軽井沢の家に帰り、自分のためだけに料理を作る。ただただ、霧が動くのを見ている。戦場にあっても、その風景を思い出せば死んでもかまわないと思う。

 私は、私が誰なのかわからない。知りたくもないし、なりたいものもない。私の存在は状況が規定すると思っているからだ。だから、いま書いている文章はきわめて異例であって、私が自分について語ることはあまりない。

 もちろん最初からこうだったわけではない。「自分さがし」もした。「俺が俺が」という時代もあった。しかしある時、ふっとさまざまなものを捨ててみると「自分」などというものはないのだとわかった。たとえば私たちの心は外から入ってくる情報で構成されている。本来の自分などというものがそこにあるだろうか。オギャアと生まれた時からあなたは自我を持っていただろうか。そうではない。すべてはこの世を巡るもののただの淀みなのである。これは仏教の本来の考え方であるが、何も宗教がかって言っているわけではない。畏友・福岡伸一先生がルドルフ・シェーンハイマーの動的平衡として紹介して、人々に広く知らしめることになったが、私たちの身体すら分子レベルでは2週間あまりですべて入れ代わる。今のあなたは3週間前のあなたとは別人なのだ。

 なぜこんなことを書き始めたのかと言えば、終えたばかりの総選挙の投票率が6割にも届かなかったことに衝撃を受けたからである。直後に行われた韓国の大統領選挙のそれは7割をはるかに超えた。日本国はポカポカの日よりであり、韓国は零下10度の寒さに人々は列を作った。前回私はここで「無知の知を自覚して投票に行こう」と呼びかけた。自分にいかほどの影響力があるとも思っていないが、この結果には寂しかった。と同時に、何がいけなかったのかと分析した。

(※この続きは12月30日7時に配信予定)

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン