「がん検診を受けたら大腸にポリープがみつかり、手術を受けることになった」
こんな話をよく耳にする。緊急ではなく、休みをとれる時期を選んで入院するようなケースだが、実はどの病院に、いつ入院するかで、治療費や自己負担額はガラリと変わってくる。
入院費用は「一般病棟入院基本料」がベースとなっているが、この基本料はある条件で金額が変わってくる。
「患者に対して看護師が何人つくかによって、金額が変わるのです」(日本医療事務協会・講師)
たとえば、患者7人に対して看護師が1人つく場合、1日の自己負担額(3割負担、以下同)は4698円だが、患者15人に対して看護師1人の場合は2835円で、最大で1日1863円もの差がつくことになる。
看護師の受け持つ患者数が多い病院というのは少々不安になるが、そういうことではないという。
「患者7人に対して看護師1人という病院は、大学病院など大病院が多い。先進医療などは大病院でしかできませんが、骨折や盲腸炎などで入院する場合は、看護師の少ない病院でも十分。大学病院などは、専門医が複数いて、最新の検査機器を備えているので加算が多く、実際の差額はそれ以上になるでしょう」(同前・講師)
仮に看護師が少なくても、看護師を補助する看護助手を多く採用している病院もある。そうした“コストパフォーマンス”の高い病院を選べば、ケアの質の面では変わらないといえる。
※週刊ポスト2013年2月15・22日号