国際情報

日本より安全と思われていたグアム 治安悪化し薬物売人も

 グアム随一の繁華街・タモン地区で起きた無差別連続殺傷事件。犠牲となった杉山利恵さん(享年28)と祖母の上原和子さん(享年81)は、杉山さんの弟の結婚式に参列するため親戚24人とともにグアムを訪れていた。

 2010年、1年間にグアムで起きた殺人事件の数はわずか3件。今回のグアムでの惨劇が衝撃を与えたのは、そんな「日本より安全」と思われていた場所での出来事だったことも関係している。

 今回の事件が示したように華やかな観光地には暗い闇が潜んでいる。現地に長く在留する日本人男性が声を潜めてこう語る。

「生活していて私自身は身の危険を感じたことはありません。とはいえ、犯罪はゼロではありませんし、近年、収入格差の広がりから治安の悪化が心配されていました。

 なかでも日本人を狙った窃盗事件は頻発しています。日本人はお金を持っていると思われていますし、深夜にひとりで出歩いている人も多いですからね。また、道を歩いていると、薬物を買わないかと持ちかけられたという話も旅行客の人から、よく聞きますね」

 ちなみに2010年の年間窃盗事件の件数は2672件。強姦事件は40件、傷害事件は252件、薬物事件も130件起きている。治安がいいとはいえ、そこは右も左もわからない海外。日本国内にいるときよりもトラブルに巻き込まれる確率は高いはずだ。

「平和ボケ」に陥りがちな日本人に観光ジャーナリストの千葉千枝子さんが警告する。

「日本人が多いからといって過信は禁物。夜のひとり歩きは厳禁ですし、いつでも思わぬ危険に襲われる可能性があることを肝に銘じるべきです」

※女性セブン2013年3月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン