芸能

JAC出身「堤真一がいい」と過去の勤勉ぶりを千葉真一が回顧

 世界に通じるアクションで知られる俳優、千葉真一氏が創設したJAC(ジャパンアクションクラブ)からは、真田広之、志穂美悦子、堤真一、春田純一といったスター、名優たちが数多く輩出されてきた。活躍する教え子たちは何が違うのかを語る千葉真一氏の言葉を、映画史・時代劇研究家の春日太一氏が綴る。

 * * *
「JAC(ジャパンアクションクラブ)の卒業公演はミュージカルでした。ミュージカルは歌って踊って、アクションした後でセリフを喋る。これは背筋と腹筋をしっかり鍛えて腹式呼吸を身につけないとできません。背筋を鍛えないで発声練習をすると胸式呼吸になってしまう。それでは声が届かないし、動きながらセリフが言えない。ですから、JACでは走りながら発声練習をさせました。

 動きのない役は動ける役者にしかできない。真田広之がまさにそうですよ。動きのない役を随分やっているけど、みんな上手い。それは、彼が動けるから。動けない人が動きのない役をやると無様にしかなりません。

 最近は堤真一がいい。彼も随分と勉強していましたからね。テレビの『セーラー服と機関銃』のヤクザ役は本当に上手かった。あれも肉体ですよ。歩き方がヤクザなの。いつもはヒョロヒョロしていたのに、キチンと足を開いて歩いていた。それも、動きから役に入るというパントマイムができていたからです」

●春日太一(かすが・たいち)/1977年、東京都生まれ。映画史・時代劇研究家。著書に『天才 勝新太郎』(文春新書)、『仲代達矢が語る日本映画黄金時代』(PHP新書)ほか。

※週刊ポスト2013年6月28日号

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