連日の猛暑日となった今年の夏。消費者にもいろいろな影響を与えたようだ。トレンドウォッチャーのくどーみやこさんはこう話す。
「この暑さで、“料理をしてさらに暑い思いをしたくない”という主婦が多く、出来合いの揚げ物を購入する人が増えましたね」
特に子供が家にいる夏休みは、主婦にとって食事を作る機会が増える。そこでヒットしたのが、スーパーやコンビニの総菜だ。
「自宅で揚げ物をしたくないというお客様が増えたようで、『ファミから』など揚げ物、総菜の今年の8月上旬の売り上げは、昨年比で1割ほど増えました」(ファミリーマート広報・伊藤史織さん)
また、今年ヒットした夏の食品といえば、氷を入れて冷やして食べるカップ麺。日清食品ホールディングスでは、スープの温度が冷えても油が固まりにくく、澄んだスープが楽しめるという『カップヌードルライト』シリーズの特性を生かし、氷を入れる食べ方を“夏はiCEカップヌードル”というキャンペーンで提案。
「このキャンペーンは昨年から実施していますが、実施前の一昨年との比較では、『カップヌードルライト』シリーズの売り上げが30%アップしています。今年は、ミルク氷を使った“iCEミルクカップヌードル”も提案し、SNSなどで話題となりました」(日清食品ホールディングス広報部・金谷雅志さん)
前出のくどーさんもこう分析している。
「氷を入れて食べるカップ麺は、今年は他社からも類似品が発売されるなど話題です。意外と食べやすく、一度食べるとハマる人が多いですよ」
一方、暑さのせいで、意外と不人気となったのがクリーム系のアイスだという。
「アイスクリームや氷菓は、7月と8月だけで一年の3分の1くらいの売り上げがあります。ですが、気温が30℃を超えたあたりからは、ベタベタした甘さのアイスクリームよりもシャーベットのような氷菓のほうが好まれます。アイスクリームがおいしく感じられるのは、気温が25~26℃のときなんです」(日本アイスクリーム協会専務理事・和氣孝さん)
また、あまりの暑さに、お茶などの飲料のほうが手軽に飲めるため、敬遠されたという理由もあるという。
※女性セブン2013年9月19日号