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中国人のマナーの悪さに香港人が反旗「家にこもっていろ!」

 風薫る季節、が故に怒りが増幅することもあるのかもしれない。中国の情勢に詳しい拓殖大学教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 ゴールデンウィークの5月は中国も大きな観光シーズンを迎える。毎年、中国大陸からの観光客がどっと押し寄せる香港は、まさにかきいれどきとなるのだが、そんなゴールデンウィークのど真ん中、メーデーの1日に香港では大陸からの観光客のマナーの悪さをテーマにした大規模な市民のデモが行われて話題を呼んだ。

 香港の人々の怒りは、大輪からの観光客が列に並ばないことやゴミをあちこちに捨てること、またはトイレに関するマナーの悪さに向けられているという。この日のデモでは、公共の場で平気で用を足す観光客の写真を展示したり、大便の形をしたアイテムが用意されるなど、大陸の人々を思いっきり揶揄した内容となったようだ。

 掲げられたスローガンには、「本当に国のことを思うのなら、外で醜態をさらすのではなく家にこもっていろ!」と呼び掛けるモノもあった。

 これに対して中国の『人民日報』は2日付けの紙面で、〈(香港人のこうした行動は)一種の心理的な病気である〉として、いたずらに本土の人々に対する憎しみを助長していると非難した。

 香港のこうしたデモは、この時が初めてではない。観光客のマナーだけではなく「反内地」というキーワードとともに拡大傾向を見せている。

 今年2月19日付の国際情報紙「環球時報」は、香港にある「反内地団体」が大陸の人々を指して〝支那ブタ〟と呼んだことに噛みついている。

 世界では経済の台頭を背景に、中国の影響力の拡大が懸念されているが、その足元の香港では中国に対する反発が強まっている。非常に興味深い現象である。

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