国際情報

中国で「母乳健康法」がブームに 貧困層女性が富裕層に提供

 またぞろ珍妙な健康法が流行している様子だ。中国の情勢に詳しい拓殖大学教授の富坂聡氏がレポートする。

 * * *
 健康や長寿にはことさら熱心だといわれる中国の富裕層。これまでも胎盤を食すなど日本人が聞けば引いてしまうような健康法が伝えられてきたが、ここ数年、彼らの間で流行しているのが母乳健康法である。

 若い女性から得た母乳をパックして売買するパターンから、器具を介して直接女性から飲むパターンまで金額によってさまざまなメニューが用意されているという。

 発祥は、中国の富裕層が集まる深圳だと伝えられるが、いまでは北京にもそうしたビジネスが広がり、インターネットで検索すれば、全国でそれらしい呼び掛けに行き当たることは難しくない。

 貧困層の女性が富裕層に母乳提供するという関係が成立し、貧困層にとっては良い収入源になっていて、自ら売り込みをする女性もいるという。

 中国国内には、こうした流行に対し「規制すべき」との声の高まりがあるが、そもそも想定していない〝グレーゾーン〟の行為のため専門家の議論も盛り上がってはいない。

 ネットなどの情報によれば、売買はたいてい高級ホテルの一室で行われるという。その回に参加するためには最初に入会の手続きが必要で一般会員の入会費は1200元(約20400円)。ゴールド会員になると1680元を支払うという。

 さらに母乳が供給される取引に参加する場合には、毎回別途600元から2000元の費用が必要となる。金額からすれば、決して富裕層だけにしか手の届かない世界でもなさそうだ。

 それにしても中国人の母乳に対する熱意は凄まじく、ネットの世界には、母乳で料理したアワビである「人乳鮑魚」というものまで見つかる。

 需給が成立し、誰かに迷惑をかけているわけではないとはいえ、後味のすっきりしない流行である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン