ライフ

「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》

全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)

全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)

 11月11日、秋田市の民家で犬小屋を引きずる熊が目撃された。そこで飼っていた犬はいなくなっていたという。12日未明には宮城県内で走行中の乗用車と熊の衝突事故も起きた。連日報道されている日本全国での熊の出没事件や襲撃事件。すでに多数の犠牲者が出ており、その数は過去最悪レベルとなっている。

 凶暴な熊を前にして人間はあまりにも無力な存在だが、大切な命を守るためにできることもあるかもしれない────。

 それを知るには、過去の熊による人身被害の実例を学ぶことも重要だ。さまざまな熊被害をまとめた別冊宝島編集部編『アーバン熊の脅威』から、昭和から平成に発生した3つの恐ろしい熊襲撃事件を紹介する。(一部抜粋して再構成)

 * * *


9人の登山グループに猛スピードで追いつき襲撃

【大雪山食害事件】
発生年月日:1949年7月30日
発生場所:北海道大雪山旭岳
犠牲者数:死者1名
熊種:ヒグマ

 北海道の中央部に広がる大雪山とはひとつの山の名称ではなく、標高2000メートル以上の山が20以上も連なる山岳地帯を総称したものである。その最高峰となる旭岳で登山をしていた若者が、ヒグマに襲われる事件が発生した。

 1949年7月、旭岳の登頂を目指す9人グループが、どれほどの計画を立てていたかは定かでないが、その全員がほとんど無装備の軽装だったという。

 それもあってかグループのうち4人は疲労のために途中で引き返すことになった。4人が下山途中の展望台で休息をとろうとしたところ、山道を一頭のヒグマが上ってきた。

 4人は大声を上げて威嚇したが、熊は興奮して立ち上がり、唸り声を発しながらさらに向かってきた。4人はいっせいに森へ逃げ込もうとしたが、熊は全速力で追いついて一人に襲いかかった。苦悶するうめき声がしばらく続いたが、他の3人は何もできずに息を潜めて熊が去るのを待つだけだった。

 その後、登頂を果たした仲間の5人が下山してきたところに合流し、事情を話してみんなで岩場に身を潜めつつ夜を明かした。翌朝に8人が下山すると、被害男性の捜索隊が編成された。

 熊が出現した展望台の下で、男性の頭と脚が見つかり、近くの雪渓では胴体も発見された。いずれも熊に喰い尽くされ、骨がむき出しになっていた。

 遺体近くの草むらで男性を襲ったと思しき熊が発見されたが、撃ち損じて取り逃してしまう。そのまま熊は行方知れずとなったが、翌年5月下旬に現場から10キロほど離れたところで捕殺された推定年齢14~15歳の雄の成獣が、毛色や体格、撃ち損じた際の銃創などから同じ個体と断定された。

 この事件以外にも、大雪山系ではたびたび熊の目撃情報が報告されるが、登山者が熊に襲われて死亡したのはこの件が唯一だという。

 ただし、これまでに大雪山系では多くの人々が行方不明になっている。その者たちが熊の被害に遭って亡くなった可能性は決してゼロではないだろう。

雪山での行方不明者のなかには、熊に食い殺されたために痕跡が見つからない犠牲者が少なからずいるとされる

雪山での行方不明者のなかには、熊に食い殺されたために痕跡が見つからない犠牲者が少なからずいるとされる

関連記事

トピックス

真美子さん(共同通信)が使用していたブランドとは
《ハワイ・ファミリーデートで真美子さんが持っていたプチプラバッグ》「同年代インフルエンサーのアスレジャーブランド」か?と話題に 実用性の高いトートバッグ、大谷は「娘のベビーカー担当」
NEWSポストセブン
アメリカのトランプ大統領と、ベネズエラのマドゥロ大統領(AFP=時事)
《日本への影響も》トランプ政権のベネズエラ攻撃・大統領拘束作戦 中国・ロシアの参戦リスクは 今後の「3つのシナリオ」
NEWSポストセブン
元“ぶりっ子”さとう珠緒の現在の恋愛観は……?
「事実婚じゃダメですか?」「あ、別居婚ならいいのかな」元“ぶりっ子”さとう珠緒(53)が明かす現在の“自分を大切にする恋愛観”とは 
NEWSポストセブン
核保有の是非を“議論”することすら封殺される状況に問題はないのか(時事通信フォト)
《あえて問う「核保有シミュレーション」開発費用と年数》専門家は「日本の潜在的技術能力なら核弾頭開発は可能」と分析 原潜に搭載なら「3兆~5兆円の開発費と年5000億円の維持費」
週刊ポスト
一世を風靡したビートきよしの現在とは
《意識失い2025年に2度の救急搬送》難病で体重22キロ増減のビートきよし、週3回人工透析も…“止められない塩分摂取”「やり残したことなんてない」 
NEWSポストセブン
年末、大谷夫妻はハワイで過ごしていたようだ
《お団子白コーデの真美子さんに合わせたペアルック》大谷翔平の「イジられる」魅力…ハワイではファンに妻と笑顔の対応、後輩も気を遣わない「自信と謙虚さのバランス」
NEWSポストセブン
川島なお美さんを支え続けた、夫でパティシエの鎧塚俊彦氏(2011年10月)
《また恋をしたいとは思っています》パティシエの鎧塚俊彦氏、妻・川島なお美さんを亡くして自問自答の10年「僕らの選択は正しかったのか…」
NEWSポストセブン
引退する棚橋弘至(右)と、棚橋への思いを語る武藤敬司(左)
《棚橋弘至がついに引退へ》「棚橋も俺みたいにハゲていけばよかったんだよ」武藤敬司が語ったかつての付き人に送る“はなむけの言葉”
NEWSポストセブン
餅つきに現れた司忍組長
《六代目山口組の餅つきに密着》近隣住民も驚いた「6時間の“ヨイショ”の掛け声」…高山清司相談役の登場に警察が驚愕したワケ
NEWSポストセブン
店を出て言葉を交わす2人(2025年11月)
《寄り添う夫婦の黒コーデ》今井美樹と布袋寅泰、街中でかかげたキラりと光る指輪に妻の「プライド」高級スーパーでお買い物
NEWSポストセブン
今森茉耶(事務所HPより、現在は削除済み)
《ゴジュウジャー降板女優の今森茉耶》SNS投稿削除で“消息不明”に…母親が明かした複雑な胸中「何度でもやり直せる」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」新春合併号発売! 2026年を見通すオールスター14対談ほか
「週刊ポスト」新春合併号発売! 2026年を見通すオールスター14対談ほか
NEWSポストセブン