公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
発足したばかりの自維連立政権を直撃した藤田文武・日本維新の会共同代表の公金還流疑惑。だが、維新内部で行なわれていたより大がかりな“身内への還流”を本誌・週刊ポストは掴んだ。「身を切る改革」を叫ぶ党の“身内への甘さ”とは――。
赤旗が報じた公金還流疑惑は、藤田氏が政党助成金などを使って自身の公設秘書が経営する会社「リ・コネクト」に印刷代など総額約2000万円を支出し、公設秘書は同社から報酬を得ていた構図だ。
藤田氏は「適正だった」と反論したが、維新の吉村洋文・代表は「この会社が公設秘書が経営しているとすれば、外形的に見て疑義が生じるのではないか」と内規を改正することを表明した。
だが、維新の疑惑はこれにとどまらない。
藤田氏や維新の議員たちが使っている「デザインビレッジ」というデザイン制作会社がある。
維新の国会議員や元議員の政治資金収支報告書によると、藤田氏の政党支部(大阪府第12選挙区支部)が2021年にこの会社に「機関紙誌印刷代」として約569万円を支出していた。他にも大阪選出の東徹・代議士、漆間譲司・代議士、東京選出の阿部司・代議士や音喜多駿・前参院議員など維新の複数の国会議員がこの会社に印刷やデザインの作成を発注していた。判明した2021~2023年の3年間の総額は約948万円、そのうち約310万円は政党助成金を使っていた。
大阪の議員ばかりか、東京の議員からも受注するとは維新とどんな関係がある会社なのか。
調査すると、会社設立は2017年、設立時の本社は維新の藤田あきら・大阪市議の所有する大阪市港区のマンションに置かれていた(現在は大阪・梅田のバーチャルオフィスが本社)。また、藤田あきら氏とは別に、代表取締役と取締役が1人ずついることが分かった。
藤田あきら氏は市議ながら国政政党・日本維新の会の広報局長(役員)を務め、藤田文武氏とは同じ「維新政治塾」の1期生で親しい関係にある。
