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生え抜き育てる中畑DeNA 桑原の台頭でポジション争いも激化

 いよいよ後半戦が始まったプロ野球。横浜DeNAベイスターズは、前半戦最後の2カードを4勝1敗1分で終え、セ・リーグ5位で折り返した。3・4月こそ7勝18敗と大きく負け越したものの、5月は13勝12敗、6月は9勝9敗、そして7月は6勝5敗1分(前半戦終了時点まで)と盛り返してきている。

 投手陣は開幕投手の三嶋一輝、ローテーションの一角だった尚成、抑えのソーサが二軍落ちするなど、当初の計算は崩れた。その一方、リリーフの山口俊の先発転向やルーキー三上朋也のクローザー抜擢など配置転換が当たった。

 打線は、悩める大砲だった筒香嘉智が5年目にして開花。打率2割9分3厘、16本塁打と堂々とした成績を残し、得点圏打率は4割5分5厘でリーグナンバーワン。ブランコがケガで離脱すると、4番も務めた。6月には、“キューバの至宝”グリエルが加入し、安定感のある打撃と強肩で魅せる守備でチームに刺激を与えている。さらに7月には、3年目の桑原将志が台頭してきた。スポーツライターが桑原について話す。

「7月4日の阪神戦に『7番・センター』でスタメン出場すると、メッセンジャー相手に第1打席9球、第2打席10球、第3打席10球と計29球も投げさせた。その後も、粘りのある打席を度々見せると同時に、初球から振っていく積極性も持ち合わせている。凡打をただの凡打で終わらせないガッツのある選手。

 俊足巧打の桑原は、センターを守り昨年のゴールデングラブ賞を受賞した荒波翔と、ポジションが被る。荒波は簡単にポップフライを上げるなど、凡打の質が良くないときが往々にして見受けられた。桑原は、荒波がケガで離脱している間のチャンスをモノにした。後半戦、荒波と桑原のレギュラー争いは注目です」

 昨年、新たに1年契約を結んだ中畑清監督にとって、後半戦はクライマックスシリーズ進出を懸けた大勝負となる。

「中畑監督は、みずから公言しているように、生え抜き中心のオーダーを理想としている。実際、梶谷隆幸や筒香といった若手が順調に育ち、ファンが継続して応援しがいのあるチームになっている。3位・広島とは6.5ゲーム差があり、逆転は難しい状況ではありますが、確実にチーム力はついてきています」(同前)

 中畑政権3年目を迎えた今年、采配に対するファンの目も厳しくなっているが、ファンに愛される監督であることは間違いない。今のペースで進めばシーズン後半戦、DeNAのさらなる躍進も十分あり得る。

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