国際情報

韓国米軍慰安婦 従軍慰安婦での責任追及論法が命取りになる

 韓国では今年6月、駐留米軍を相手に作られた売春街「基地村」で働かされた122人の元米軍慰安婦が「韓国政府は米兵相手の慰安婦制度を作り、自分たちを徹底的に管理し、苛酷な売春をさせた」として国を相手取り、1人1000万ウォン(約100万円)の賠償訴訟を起こした。

 海外メディアの報道が広がるなど、訴訟を巡る動きは大きなうねりとなりつつあるが、興味深いのは本誌の取材に応じた元慰安婦女性ユン・ヨンスさん(56歳・仮名)の証言だ(この女性は原告に加わっていない)。

「国家賠償訴訟については、ニュースがほとんど報じられないので知りませんでしたが、原告の『政府が強制した』という主張はおかしい。確かに売春はありましたが、国が指示したことはありません」

 重要なポイントだ。慰安婦問題に詳しい東京基督教大学教授の西岡力氏が話す。

「韓国政府が関与したのが性病検査をはじめとする管理だけであれば、売春を強制したという法的な責任は問えません。それは旧日本軍の慰安婦問題も同じで、軍が女性を強制連行した証拠がひとつもない以上、法的責任を問われるのは筋が通らないのです」

 旧日本軍の慰安婦問題では、朝日新聞の歴史的な誤報をきっかけに支援活動が盛り上がり、元慰安婦による訴訟が起こされ、国際機関からも「性奴隷」と批判されるようになった。朴槿恵(パク・クネ)政権をはじめ韓国歴代政権はそうした流れの中で、「強制連行の証拠などなくても責任は問える」と対日批判を繰り返してきた。

 その論法が今度は自分たちの命取りとなる。それは韓国女性を性処理の対象として買っていたアメリカにもいえる。

 原告団をサポートする「基地村女性人権連帯センター」で、今回の訴訟の渉外担当となるチュミポン(駐韓米軍犯罪根絶運動本部)の担当者であるパクチョン・キョンス氏によれば、元米軍慰安婦の裁判は10月頃に始まる見込みだというが、同氏は「仮に今回の賠償請求が認められれば、同様に賠償金を受け取る資格のある女性は数万人規模で存在する。原告団を増やすための取り組みもしている。公判が始まれば新たに明らかになる情報もあるだろう」と勢いづく。

※週刊ポスト2014年8月15・22日号

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン