国内

朝日OB2人 読者と向きあう姿勢と謝罪方針について語りあう

 朝日新聞が慰安婦報道の誤りを認めてから、謝罪しない態度に批判が集まっている。現場記者たちにジャーナリズム精神を説く研修所長をつとめた本郷美則氏と、著書『朝日新聞元ソウル特派員が見た「慰安婦虚報」の真実』(小学館)が発売即重版となり話題を呼ぶジャーナリスト・前川惠司氏の朝日OB2人が、なぜ朝日は読者を向いていないのかについて語りあった。

前川:私は先輩から「読者を意識して書け」といわれたことを覚えています。600万人もの読者の前に立って読み上げるつもりで原稿を書けと注意されました。

──一方で現在の朝日を見ると慰安婦報道への対応では、「訂正はしても謝罪はしない」という姿勢が見える。

本郷:もともと朝日の体質として権威主義的なところはありました。とことん追い詰められない限り、頭は下げたくない。その悪い部分ばかりが出ている。OBとしては「素直に謝ったほうがいいのに」と感じますがね。

前川:今の会社の認識はちょっと世間と違うのでは、と思っています。朝日新聞は既に数多くあるメディアの中のワン・オブ・ゼムなのが現実です。朝日新聞のブランドはそのぐらいになっていると考えることで、いいほうに転ぶこともあるのではないでしょうか。

本郷:ただ、この問題ではそう簡単に謝罪なんてしないでしょう。当時の記者が退社したタイミングだとはいえ、最高幹部OBは健在で、しがらみはたくさんあると聞く。1991年の植村隆記者の慰安婦誤報の時の社長である中江利忠氏は東京OB会の会長ですから。

※週刊ポスト2014年9月19・26日号

関連キーワード

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗「アラフォーでも美ボディ」スタートさせていた“第2の人生”…最中で起きた波紋
NEWSポストセブン
音楽業界の頂点に君臨し続けるマドンナ(Instagramより)
〈やっと60代に見えたよ〉マドンナ(67)の“驚愕の激変”にファンが思わず安堵… 賛否を呼んだ“還暦越えの透け透けドレス”からの変化
NEWSポストセブン
石破茂・首相の退陣を求めているのは誰か(時事通信フォト)
自民党内で広がる“石破おろし”の陰で暗躍する旧安倍派4人衆 大臣手形をバラ撒いて多数派工作、次期政権の“入閣リスト”も流れる事態に
週刊ポスト
1999年、夏の甲子園に出場した芸人・とにかく明るい安村(公式HPより)
【私と甲子園】1999年夏出場のとにかく明るい安村 雪が降りしきる母校のグラウンドで練習に明け暮れた日々「甲子園を目指すためだけに高校に通った」 
女性セブン
クマ外傷の専門書が出版された(画像はgetty image、右は中永氏提供)
《クマは鋭い爪と強い腕力で顔をえぐる》専門家が明かすクマ被害のあまりに壮絶な医療現場「顔面中央部を上唇にかけて剥ぎ取られ、鼻がとれた状態」
NEWSポストセブン
小島瑠璃子(時事通信フォト)
《亡き夫の“遺産”と向き合う》小島瑠璃子、サウナ事業を継ぎながら歩む「女性社長」「母」としての道…芸能界復帰にも“後ろ向きではない”との証言も
NEWSポストセブン
ジャーナリストの西谷格氏が新疆ウイグル自治区の様子をレポート(本人撮影)
《新疆ウイグル自治区潜入ルポ》現地の人が徹底的に避ける「強制収容所」の話題 ある女性は「夫は5年前に『学習するところ』に連れて行かれ亡くなりました」
週刊ポスト
会見で出場辞退を発表した広陵高校・堀正和校長
《海外でも”いじめスキャンダル”と波紋》広陵高校「説明会で質問なし」に見え隠れする「進路問題」 ”監督の思し召し”が進学先まで左右する強豪校の実態「有力大学の推薦枠は完全な椅子取りゲーム」 
NEWSポストセブン
起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト