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小沢一郎氏 自民党を倒した2009年の国民の経験に一縷の望み

 解散・総選挙が決まっていち早く野党統一戦線作りに乗り出したのが小沢一郎氏だ。日本の政治の現状に危機感をあらわにする小沢氏だが、いま国民に何を訴えかけようとしているのか、ジャーナリストの武冨薫氏が小沢氏から選挙について話を聞いた。

──安倍首相が官僚の操り人形でも、アベノミクスが失敗でも、それを変えようという動きには力がない。あなたは以前から、「日本の改革が進まないのは、国民に飢餓感が少なく、変わらなきゃいけないという危機感がないからだ」と語っていた。

小沢:本質的には変わってないでしょう。日本はまだまだ豊かに食べている。だけれども、徐々に苦しくなり、今の生活が維持できないのではないかという意識は広がっていると思う。

 日本は、太古の昔以来、豊かな国だった。戦後もアメリカの傘の下で過ごして平和だった。けれども、やっぱりそれだけじゃ駄目だと。「自立した国家」「自立した国民」になるという意識が育たなければ、民主主義は育たない。要するにお上頼みでは駄目っていうことです。残念ながら、日本人にはまだその性癖が残っている。

 ただし、以前と違う状況もある。僕は「2009年」にそれなりの意味を見出している。自分たちの一票で、長期政権の自民党を倒せた。その意識は日本人の頭の中に植えつけられたと思う。

 あのときは、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで、おっかなびっくり民主党に一票を入れたのでしょう。だけれども「結局、駄目だった」「やはり寄らば大樹」といったもとの体質に戻ってしまった。

 それでも当時の経験が国民の頭の中にはあるから、僕はそこに一縷の望みを託しています。政治の側が受け皿を用意できれば、国民は必ず応えてくれると思う。

※週刊ポスト2014年12月12日号

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