ノーベル賞受賞記念特別ライティングで4色に彩られた東京スカイツリー
日本時間の12月11日未明、スウェーデンのストックホルムでノーベル賞の授賞式が行われ、青色発光ダイオード(LED)を開発しノーベル物理学賞を受賞した、赤崎勇・名城大教授、天野浩・名古屋大教授、中村修二・米カリフォルニア大教授の3人に記念メダルと賞状が贈られた。
この授賞式に合わせ、東京墨田区の東京スカイツリーでは11日夜から、「光の3原色」をイメージした特別ライティングがスタートした。
パナソニックと共同でデザイン・開発した今回の特別ライティングは、もちろんすべてLEDによるもの。スカイツリーが赤から緑、緑から青と色を変えながら鮮やかに光り、さらには、白青緑赤の4色が同時に点灯された後、3原色を掛けあわせた白い光に変化。約7分かけて「赤→緑→青→4色→白」とその姿を変化させていく。東京スカイツリータウン内のクリスマス・イルミネーションとあいまって、なんとも幻想的な夜を演出してくれるのだ。
そもそも、様々な色の光を出すには、赤緑青の「光の3原色」が必要だ。LEDについては、1980年代までに赤色LEDや黄緑色LEDは実用化されていたが、青色LEDについては20世紀中の実現は不可能とさえ言われていた。
そんななか、窒化ガリウムを材料とした青色LEDの基礎技術を赤崎教授と天野教授が開発。さらに、中村教授がこの技術を発展させる形で量産化を実現、1993年に製品化にこぎつけたのだ。
光の3原色のLEDが揃ったことで、あらゆる色の光を表現することが可能となった。これによって、鮮やかなイルミネーションが実現。さらには、液晶テレビやパソコンのモニター、スマートフォンやタブレットといったものも、青色LEDが開発されたからこそ、今の姿があるのだ。
また、光の3原色が揃ったことで自然光に近い白い光を再現できるようになったことも大きな功績だろう。白熱電球や蛍光灯といった従来の照明器具に比べて消費電力の少ないLEDは、省エネ照明器具としてもはや欠かせないものとなっている。
様々な分野で計り知れないほどの恩恵を与えている青色LED。青く光るスカイツリーを見て、歴史的な発明を今一度噛みしめてみるのもいいかもしれない。
東京スカイツリーの光の3原色特別ライティングは、12月18日まで。午後8時15分から午後11時まで、毎日実施される。