新しい住まいを探したり、引っ越しをする時には、物件探しや荷造りといった大変さがあっても、新たな生活にワクワクする気持ちの方が大きい……という人が、多いのではないだろうか? しかし、不動産・住宅情報サイト『HOME’S』を運営するネクストが行なった「『住まい』に関する意識調査」(実家以外への住み替え経験が1回以上ある20~39歳の男女824名対象)によると、「あなたは現在、自分の理想とする住まいに住めていますか?」という質問に「はい」と回答したのは34.3%。“理想の住まいに暮らしている”のは、約3人に1人という結果となった。
反対に「今のお住まいに不満はありますか?」との質問には、過半数の51.1%が「不満がある」と回答。具体的な理由としては、「騒音」(26.6%)、「広さ」(25.4%)、「設備」(22.1%)、「収納」(20.7%)、「間取り」(19.5%)が上位を占める。なぜ多くの人が、自分が選んだ住まいに対して不満をもっているのか? その原因について、不動産相談を専門に行なっている不動産サポートオフィスの代表コンサルタント・秋津智幸さんはこう分析する。
「私の経験上、住まい探しをする際に『家賃』と『間取り』を重視するという人が80%。その反面、この2つに重点を置きすぎるあまり、それ以外の大切なポイントをないがしろにしてしまい、住み始めてから“想像もしていなかった不満”に悩まされるようです」
同調査でも、「住まい探しで重視した条件」の圧倒的な1位は「家賃」(75.8%)、次いで「間取り」(45.4%)、「通勤・通学時間」(27.7%)となっている。しかし、2位に「間取り」がランクインしているのに、不満の理由にも「間取り」が入るのは、なぜなのだろうか?
「それは実際のライフスタイルと選ぶ際に良いと思った間取りが、合っていないからですね。どんなに収納スペースがあっても、持ち物がそこに収まりきらなければ、居室部分にたんすや衣装ケースを置くことになります。その結果、思っていたより『広さがたりない』『間取りが悪い』と嘆くケースが多々あるんです」(秋津さん)
とりわけ単身者向けのマンションでは、居室部分にはゆとりがあっても、「キッチン設備がもの足りない」「風呂に給湯システムがない」「バス・トイレ・洗面所が一緒の3点ユニットで狭い」など、居室以外のスペースや設備が削られることも多い。また、占有スペースだけに目を向けすぎ、建物周辺の環境について確認することを忘れがち――といった人も少なくない。
こうした入居後の不満をなくすため、「住まい探しの段階でやるべき4つの行動がある」と秋津さんは語る。