部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
著名人によるSNS発信はコメント欄を閉鎖することが多く、開放していたとしても本人は反応しないというのが通常だろう。ましてや、疑惑の渦中にある人ならばコメント欄は閉じておくのかと思いきや、小川晶・前橋市長は逆に公式Xのコメント欄「開放」へ踏み切った。臨床心理士の岡村美奈さんが、小川市長はなぜ炎上を恐れずコメント欄を開放したのか分析する。
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前橋市の小川晶市長が25日、自身のXを更新し改めて続投に意欲を見せるとともにコメント欄を開放、ユーザーからのコメント1つひとつに返信している。疑惑や問題の渦中にいれば、SNSのコメント欄を閉鎖するのが一般的だろう。なぜ今になって彼女はコメント欄を開放したのだろうか。
メディアでは小川市長のXに寄せられたコメントとして、「自分でまいた種ですね。しっかり受け止めてください」というものや、「あなたは、自らが前橋の子どもたちの間でラブホ市長と呼ばれていることを知っていますか?あなたの行動は将来世代に悪い影響を与えています」などが紹介されている。だが実際、Xのコメント欄を読んでいくと、思った以上に彼女を応援する声が多いことに驚かされる。ここに小川市長がXのコメント欄を開放した狙いがあるのではないだろうか。
この問題を時系列でみていくと、既婚の市役所男性幹部と複数回ラブホテルを訪れていた問題で、男女の関係は否定した上で「深く反省している」と小川市長が緊急会見を開いて謝罪したのが9月24日。うっすらと目に涙を浮かべ、うなだれた様子で深く謝罪したが、その内容は誰が聞いても素直に納得できるものではなかった。市役所には苦情や無言電話が殺到、電話回線を増設し職員たちは電話対応に追われ、市議会全10会派は速やかに出処進退を決断するよう促した。
10月10日、小川市長は個人事務所にコールセンターを設置。組合側から文書で「落ち着いて仕事ができる環境を求める」と要望を提出され、職員の負担軽減と、市へのクレームや問い合わせを分散させるためというのが理由だった。市役所への問い合わせ電話は9日時点で約7900件。このタイミングで自身のXのコメント欄を開放すれば、辞職要請ばかりで批判の嵐にさらされるから、それはしたくなかったのだろう。さらに自身の事務所にコールセンターが置かれれば、問い合わせ件数や内容は公に見えなくなりやすい。
