スポーツ

《悔しいし、情けないし…》高卒4年目で戦力外通告の元阪神ドラ1右腕 育成降格でかけられた「藤川球児監督からの言葉」とは

阪神の2021年ドラ1右腕・森木大智

阪神の2021年ドラ1右腕・森木大智

 阪神が日本一を懸けて戦う裏で、チームを去ったのが2021年ドラ1右腕・森木大智(22)だ。高卒4年目で受けた戦力外通告をどう受け止めたのか。ノンフィクションライター・柳川悠二氏が迫った。(文中敬称略/前後編の前編)

 * * *
 クライマックスシリーズが始まろうとしていた10月上旬、阪神の森木大智は兵庫県尼崎市の二軍施設「ゼロカーボンベースボールパーク」のサブグラウンドに姿を現わした。

 いや、既に来季の構想から外れ、戦力外通告を受けている森木は、事実上、阪神の選手ではない。一軍や二軍の練習に参加することはおろか、「120」の背番号が入ったユニフォームやウエアすら着ることが許されない。

 森木は9時半という誰もいない時間帯を見計らい、同じ境遇の選手と30分以上にわたってキャッチボールをしていた。その後は室内練習場に籠もり、青空の下で練習することはなかった。

 高知中学時代に軟式球ながら150キロを記録して「スーパー中学生」と呼ばれた森木は、高知高校時代も世代ナンバーワンの称号を得ていた。2021年のドラフトで1位指名を受けて阪神に入団したものの、3年目を終えた昨オフに育成契約となり、この秋にはとうとう居場所を失った。 そんな森木にはこの日、若虎たちが暮らす虎風荘の近くで話を聞くことになっていた。

「去年、育成に落ちて、『やばいな』とは思っていましたけど、自分でも良いと思える登板が増えていたので、もう1年、面倒をみてもらえるんじゃないかと密かに期待もしていました。でも……そんなに甘くはなかったですね。悔しいし、情けないし、勝負弱さを痛感したし、思い残したこと、やり残したこともたくさんある。まだまだやれます」

 一軍登板は4年間で1年目の2試合のみ。今季は二軍戦14試合に登板し、防御率は13.81。数字は厳しい現実を突き付ける。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン