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『現代農業』 カリスマ農民の無農薬農法コツと裏技企画が人気

 知られざる業界紙や専門誌の世界――今回はジャガイモ、タマネギ、イノシシ…と食の現場に迫り「自然な暮らしを村に町に」をキャッチテーマとする専門誌『現代農業』をご紹介する。

『現代農業』(一般社団法人農山漁村文化協会)
創刊:1946年
月刊誌:毎月5日発売
発行部数:20万部
読者層:20~90代までの農業、家庭菜園愛好家など。
定価:823円
購入方法:書店で購入するか発行元・一般社団法人農山漁村文化協会に直接注文

 技術と暮らしの総合雑誌『現代農業』の2014年の人気企画ナンバー1は「貯蔵・保存のワザ拝見」(12月号)。

「何度も繰り返しているテーマですが、毎回、新たな知恵が農家の皆さんからあがってきます」と語るのは、編集長の瀬谷勝頼さん(49才)。

 たとえば『ジャガイモの芽止め法』は、ジャガイモを入れた木箱の上のほうに、『リンゴを3~5個入れておくと、リンゴから出るエチレンが発芽を抑えてくれる。リンゴはふじがおすすめ』で、翌年、新ジャガが採れる7月まで食べられる。

 ハクサイもまた、木箱に入れて倉庫で貯蔵するが、『底に新聞紙を敷いて立てて入れる』のがコツ。

 ネギは『焼酎などが入っている40cmほどの高さの段ボールに肥料袋を入れて、袋の底に4~5cmの厚さでオガクズを敷きます。オガクズが湿るくらいまで水を入れて、皮をむいたネギを立てて入れます。玄関や納屋など涼しいところに置けば春までシャキシャキのネギが食べられます』。

 人気企画、第2位の「マルチ&トンネル コツと裏技」(3月号)では、同誌が生んだ“カリスマ農民”、福島県いわき市に住む東山広幸さんの実践している無農薬、化学肥料を使わない農法を紹介。

 マルチとは、寒暖の差が激しい春先、畑を被う黒いビニールのことで、雑草を抑えたり、地温や湿度を保つ役割をするが、東山さんは一歩進めて、害虫除けに使う。

 そのためには空が映るほどピーンと張る。それをひとりで完成するにはどうするか。東北大学で物理学を学び、「百姓は科学だ」がモットーの東山さんが解説する。

『自然界でモノが反射して見えるのは水しかない。マルチを水面と勘違いして(害虫が)寄ってこないんじゃないかと思っています。だからトンボが卵を産み付けたり…』

 同誌からはほかにもスター農家が生まれてきた。たとえば、独自の農機具の使い方を開発して、DVDを発売している“サトちゃん”も、読者の間では知らない人はいない。

取材・文/野原広子

※女性セブン2015年1月22日号

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