ビジネス

ローソン 医薬品・日用品並べた店は客数増え客単価もアップ

ローソン&ツルハドラッグの複合1号店は2月5日仙台でオープン

 近ごろ、コンビニエンスストアにドラッグストアや調剤薬局が併設されている「複合店」を多く見かけるようになった。食品や総菜などはもちろん、夜中でも大衆薬(一般用医薬品)や日用品が手に入るとあって、コンビニ客の主役だった男性よりも女性や高齢者の姿が目立つ。

 1月27日にはコンビニ業界2位の「ローソン」と北海道を拠点に全国約1300店を持つドラッグ業界2位の「ツルハドラッグ」の大型提携発表があった。ツルハがローソンとフランチャイズ契約を結び、生活密着の商品を強化した“ヘルスケアローソン”を運営していくという。

 しかし、いまや5万店・10兆円市場のコンビニ、1万7000店・6兆円規模のドラッグストアと、どちらも成熟した小売り業態が一緒になるメリットがどこにあるのか。

 ツルハホールディングス社長の堀川政司氏は同日の会見でこう説明した。

「2035年には3人に1人が65歳以上という高齢化が進む中、自宅から徒歩で行ける店舗で買い物を済ませようという消費者がますます増えるでしょう。そこで、郊外にある300坪規模の大型店が中心だった当社も、駅から徒歩5分、350メートル以内に出店するような小商圏での店舗展開が必要になると考えました」

<より完成度の高いドミナント(出店)エリアの構築>と表現した堀川氏。その実現のためには、網の目のように全国津々浦々に小型店舗を張り巡らせるコンビニのノウハウを吸収したかったというわけだ。

 ドラッグストアの中には、サンドラッグのように自前でコンビニ業態に乗り出す企業もある。ツルハがその選択肢を取らなかった理由について堀川氏は、「決め手は簡単ですよ」と答え、こう続けた。

「われわれにはコンビニと同等かそれ以上の味と価格を兼ね備えた『弁当』が作れないからですよ。やはり“餅は餅屋”なんです」

 コンビニの売り上げを大きく左右する弁当や総菜といった中食市場を握らない限り、他社との差別化はできない。かといって、ドラッグストアにはコンビニが持つ専用の調理工場はないし、弁当の開発部隊もいない。それでは小商圏で売り上げを確保するのは難しいと踏んだわけだ。

 一方、コンビニサイドのローソンとしても、ドラッグストアと組む利点は大きい。

「従来の便利さ以上に生活全体をサポートしてほしいという地域のニーズがある中、ドラッグストアの強みである大衆薬や化粧品、日用品カテゴリを強化することで客層や売り上げの拡大が見込める」(ローソンの玉塚元一社長)

 すでにローソンは調剤薬局大手のクオールと組むなど、医薬品や日用品を取り扱うヘルスケア店舗を増やしているが、既存のローソン店舗と比べて日販20万円増、客数200人増、客単価も50円アップしているとのデータを示した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン