国際情報

中国軍 一人っ子の若手将兵で惰弱なポテチ族蔓延に危機感も

「一部の若手将兵は毎晩、テレビにかじりつき、ポテトチップを片手に、映画を見て過ごす」

 中国人民解放軍が運営する情報サイト「解放軍網」は一部の若手将校の間で怠惰な空気が蔓延していると批判する異例な記事を掲載した。中国軍には10万以上の一人っ子の将兵がおり、家庭では「小皇帝」として甘やかし放題に甘やかされてきた者が少なくないだけに、「新世代の革命軍人として、血戦を戦い抜く意志と気概、精神を持つ必要がある」と強調している。

 同紙はこれらの軟弱な若者はいったん厳しい訓練などに直面すると、すぐに逃げようとするとして、強敵に対しては「高所恐怖症」の心理状態に陥ってしまうと嘆いている。

 同紙ばかりでなく、他の中国メディアも最近、一人っ子世代の中国軍将兵の惰弱さについて触れることが多い。2週間の軍事訓練に参加した2500人の若い兵士のうち600人以上も医務室に駆け込んだり、2008年の四川大地震でも、救難出動の際、「危険だから行きたくない」と子供のように駄々をこねて、泣いて出動を拒否する兵士もいたと伝えられる。

 これらの一人っ子の惰弱さは両親の教育も強く影響しているようだ。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によると、息子が軍に入隊する際、「戦争に行っても、お前だけは死なずに帰ってこい」などと平気で教え込む両親もいるという。

 ある軍幹部は「親の中には『可愛い一人息子が死んだらどうするのだ。絶対に中国は戦争してはならない』と言い張る者までいる。だったら、息子を軍隊に入れなければよいではないか」と憤る。

 ただ、親としては、軍は待遇がよく、除隊後も再就職しやすいことから、ひとまず軍に入れて、幹部となったところで除隊させ、待遇の良い軍傘下の企業に再就職させるという子供の人生設計を描いているようだ。

 子供も軍に一生いる気はなく、どうしても毎晩、ポテトチップ片手に、映画やドラマのビデオにうつつを抜かすことになっているようだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
中途採用応募者が急に増えて担当者は困惑(写真提供/イメージマート)
《SNSの偽情報で実害》中途採用に「条件満たさない」応募者が激増した企業、勝手にFラン認定された大学は「少子化の中、学生に来てもらう努力を踏み躙られた」
NEWSポストセブン
趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
日本復帰2戦目で初勝利を挙げたDeNAの藤浪晋太郎(時事通信フォト)
横浜DeNA・藤浪晋太郎を大事な局面で起用する三浦大輔監督のしたたかな戦略 相手ファンからブーイングを受ける“ヒール”がCSの行方を左右する
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン