高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた前寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左・NEWSポストセブン撮影/右・前寮長とのやりとり)
「一部報道にありました通り、本校男子寮において元寮長による暴力行為を含めた不適切な言動があった事実が確認されております。被害にあわれた生徒及び関係者各位に深くお詫び申し上げます」──ゴルフの名門校として知られる沖学園高等学校(福岡県博多区)は2025年8月29日、同校ホームページに《お知らせ》と題して上記のように校内で暴力事案があったことを公表した。しかし、それは事案発生から2カ月以上経っての報告だった。
同校の暴力事案はNHKほか、各新聞社でも報じられるなど波紋を広げているが、事の発端は、8月28日にNEWSポストセブンで報じた「《ゴルフの名門・沖学園高等学校で複数の暴力事案が発覚》激怒した寮長の投げた金属製コップが生徒の目元に直撃…流血で数針縫うケガ」の一報だった。事案を公表した沖学園だが、NEWSポストセブンが取材を進めると、この寮長が行なっていた凄まじい暴力の全容がわかってきた──。【前後編の前編】
多くのプロゴルファーを輩出する沖学園。硬式野球部は甲子園出場経験もあり、プロ野球選手も輩出している。柔道も全国レベルのスポーツ強豪校において、その寮内で何が起きていたのか。学校関係者が語る。
「前寮長は解雇(2025年6月17日付け)されるまでの約半年間で寮生10人以上に対して暴言や暴力を振るっていました。前寮長は6月にエアコンの切り忘れを理由に寮生に至近距離からステンレス製のコップを目元に投げつけ、殴る、蹴るなどの暴行をはたらきました。そして、被害を受けた生徒らが警察に被害届を提出する騒動となりました」
同校は暴言や暴行の詳細を明かしていないが、複数名の寮生の保護者に取材すると、前寮長から「殺す」などと日常的に脅され、頭や首などから出血する暴力を被害を受けていたことがわかった。